日本大百科全書(ニッポニカ) 「陰隲文」の意味・わかりやすい解説 陰隲文いんしつぶん 中国の民衆道徳を説いた書。正しくは『文昌帝君(ぶんしょうていくん)陰隲文』といい、文昌帝君(文帝)が啓示した言を筆録した勧善書(善書(ぜんしょ))の一種である。文昌帝君は学問神として信仰されていたが、宋(そう)代以後しだいに人間の禍福をつかさどる神として庶民の間に浸透していった。こうした信仰の背景のもとに、陰隲文は、陰の功徳(くどく)を勧める民衆宗教の教典として16世紀末ごろまでに成立し、広く流布したといわれる。[山田利明][参照項目] | 善書 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例 Sponserd by
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「陰隲文」の意味・わかりやすい解説 陰隲文いんしつぶんYin-zhi-wen 中国,明末の道教経典。文昌帝君の所説という。陰隲とは天が人の行為をみて善悪を定め,禍福を下すということ。したがって陰徳をこそ積むべきであるとして,種々の道徳的行為を列挙して,庶民の日常生活の禁戒を述べている。『太上感応編』『覚世真経』と合せて,いわゆる善書を代表する。全文 544字。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by