百科事典マイペディア 「姫谷焼」の意味・わかりやすい解説
姫谷焼【ひめややき】
→関連項目加茂
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広島県福山(ふくやま)市加茂(かも)町の磁器窯。姫谷窯については江戸末期の文献に記述があるが、同町正福寺の過去帳には1670年(寛文10)に姫谷焼陶工の戒名が記されており、このころすでに陶工市右衛門(いちえもん)らが活躍していたことが知られるものの、発祥についてはさだかではない。1977年(昭和52)および78年の考古発掘の結果では、二基からなる地上式登窯(のぼりがま)の跡がみいだされ、染付皿、鉢、香炉、白磁大鉢、皿、碗(わん)、蓋物(ふたもの)、鉄絵破片(以上磁器)、焼き締めの鉢、壺(つぼ)、甕(かめ)、茶碗、茶入(以上炻器(せっき))、さらに灰釉陶(かいゆうとう)などが出土した。それら出土品の熱残留磁気測定によると、1号窯が1620年(±25年)、2号窯が1680年(±30年)となっているが、不確定要素も多いといわれる。姫谷焼として伝世する白磁胎に上絵付した色絵皿は、伊万里(いまり)焼の影響が認められ、その作風から17世紀末から18世紀初期の作と推測される。
[矢部良明]
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