陸性堆積物(読み)りくせいたいせきぶつ(その他表記)terrigenous sediment

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「陸性堆積物」の意味・わかりやすい解説

陸性堆積物
りくせいたいせきぶつ
terrigenous sediment

陸源堆積物ともいう。陸地から運搬された物質を主とする海底堆積物。化学性堆積物,生物性堆積物の対語。陸性堆積物は陸上岩石破片鉱物,それにこれらが風化した粘土などで,おもに大陸棚に,一部は大陸斜面に堆積する。遠洋性堆積物には陸源物質は届きにくいが,混濁流などによって遠洋性堆積物にも混ることがある。普通,大陸棚,大陸斜面上の堆積物を陸性堆積物として扱う。化学的に沈殿したもの,生物の死骸などが混るが,続成作用を経て固結した堆積岩では,陸源物質起源と化学的沈殿,生物起源のものの正確な識別が困難なことがあって,陸性堆積物を陸源物質だけから成るという厳密な定義なしに用いることが多い。

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世界大百科事典(旧版)内の陸性堆積物の言及

【海】より

…また陸上生物,あるいは海中生物の遺殻,遺体なども含まれる。 200mより浅い陸棚の海底には,陸地から運びこまれた,わりに粒の粗い陸性堆積物がある。深さ200m以深の大陸斜面では陸から運ばれてきた泥や砂は少なくて,おもにプランクトンの遺骸からなる遠洋性の堆積物と,粒の細かい陸源の泥を含む亜洋性堆積物がある。…

※「陸性堆積物」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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