隠津島神社(読み)おきつしまじんじや

日本歴史地名大系 「隠津島神社」の解説

隠津島神社
おきつしまじんじや

[現在地名]東和町木幡

本殿木幡こはた山の頂上近くにあり、山麓拝殿がある。山全体が境内地。現祭神は瀛津島姫命・田心姫命・湍津姫命の三柱。旧県社。明治初年の神仏分離までは治陸じろく寺の別当で弁才天宮とも称した。創祀時期は不明だが、「延喜式」神名帳の安積あさか郡に載る「隠津嶋オイツシマ神社」を当社のこととする説がある(「松藩捜古」「相生集」など)。隠津島神社記録(木幡山志)に元和八年(一六二二)の棟札写が載り当社名がみえるが、「松藩捜古」に記録されている同年の棟札とまったく相違しており、元和八年当時隠津島神社と称していたか否かは不確実である。宝暦一三年(一七六三)の安達郡神祇道宗門御改帳(木幡山志)には「延喜式内 安達郡東郷惣鎮守 木幡山隠津島神社弁財天三女神」とある。明和三年(一七六六)と寛政一二年(一八〇〇)の寺社奉行裁許状(同書)によると、治陸寺側から隠津島神社という社号に対する異議が出されているので、最初から隠津島神社とよばれていたわけでなく、吉田家から官位を得た元禄一二年(一六九九)以降に隠津島神社の呼称をとなえたと推定できる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android