隠狸(読み)カクシダヌキ

精選版 日本国語大辞典 「隠狸」の意味・読み・例文・類語

かくしだぬき【隠狸】

  1. 狂言。和泉流鷺流。太郎冠者が捕えた狸を主が欲しがり、酒を飲ませたり舞を舞わせたりしてついに狸を取り上げる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「隠狸」の意味・わかりやすい解説

隠狸
かくしだぬき

狂言の曲名。太郎冠者(かじゃ)狂言。和泉(いずみ)流だけの曲。狸を釣るという噂(うわさ)のある太郎冠者(シテ)を主人が市(いち)へおびき出すと、案の定、噂を否定したはずの冠者が狸を売りにやってくる。主人は、あわてて帰ろうとする冠者に酒を勧めて舞をまわせ、腰に隠した狸をうまく抜き取ってしまう。そうとも知らない冠者は主人に小舞を教えるが、舞が「兎(うさぎ)じゃ」という文句で終わったとたん、主人に「狸じゃ」と顔前に狸を突きつけられ、あわてて逃げて行く。小舞中心のしゃれた曲で、歌詞にあわせた軽妙なしぐさが見どころとなっている。なお、小舞は「兎」と「鵜飼(うかい)」である。

[池田英悟]

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