隠蔽色(読み)インペイショク

百科事典マイペディアの解説

動物の色彩や斑紋の中で,その周囲や背景の色やパターンとまぎらわしいもの。他の動物に気づかれにくいという効果をもち,それによって捕食者の目をのがれたり,餌(えさ)に近寄ったりすることができると考えられる。しばしば環境に応じた体色変化を伴う。被食者についていうときには保護色と同義。
→関連項目警告色

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世界大百科事典内の隠蔽色の言及

【体色】より

… 動物の体色は決して無意味なものではなく,さまざまな機能をもっていると考えられる。体色を機能によって大別すれば,隠蔽色concealing colorationと標識色signal colorationとになる。前者はいわゆる保護色の範疇(はんちゆう)に入るもので,その動物の存在を目だたなくすることによって,生存価を高めると考えられるような色である。…

【体色変化】より

…色素胞内の色素顆粒(かりゆう)の凝集・拡散運動によって生じる迅速な生理学的体色変化と,色素の量あるいは色素細胞数の増減による比較的ゆっくりとした経過をたどる形態学的体色変化に区別できる。たとえば,隠蔽色のうち,被食者のいわゆる保護色では,背地の色あるいは紋様に適応する速い生理学的変化の例が多く知られている。標識色の代表例である婚姻色は繁殖期に現れる美しい彩色であり,形態学的変化に属する。…

【保護色】より

…緑色の葉の上の緑色の芋虫やキリギリス,木の幹にとまっている複雑な模様のガ,木のこぶに似た色のヨタカ,砂地や河原の小石に見まがう色や斑紋をもつバッタや鳥の卵,林の中の落葉層の上ではほとんど目につかないハツカネズミ類,水底の砂泥にまぎれてしまうドジョウやハゼの仲間などの体色は,いずれも保護色の典型である。 このような体色は,いわばその動物の存在を環境の中に隠してしまうものであるために,一般的には隠蔽色concealing coloration(またはcryptic coloration)と呼ばれる。狭義の保護色とは,環境との色彩ないしは模様の類似によって隠蔽効果を示すものを指す場合が多いが,隠蔽色にはこのほかにもいくつかの形式のものがある。…

※「隠蔽色」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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