隠隠(読み)インイン

デジタル大辞泉 「隠隠」の意味・読み・例文・類語

いん‐いん【隠隠】

[ト・タル][文][形動タリ]
かすかではっきりしないさま。
「―として黯澹ほのぐらい中に」〈紅葉多情多恨
音が遠く響くさま。
雷霆いかずちの音は次第に遠く―又霆霆ろうろう」〈魯庵社会百面相

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「隠隠」の意味・読み・例文・類語

いん‐いん【隠隠】

〘形動タリ〙
① 音が遠くまで響きわたるさま。
※三教指帰(797頃)上「轟轟訝輅。隠隠溢衢」
※自然と人生(1900)〈徳富蘆花〉自然に対する五分時「雷隠隠として鳴り初めぬ」 〔古詩‐為焦仲卿妻作〕
② ほの暗くぼんやりしているさま。かすかで明らかでないさま。
浮世草子・国姓爺明朝太平記(1717)四「虚空にのぼると見えしが隠隠(ヰンヰン)として失にけり」 〔鮑照‐還都道中詩〕
※詩学大成抄(1558‐70頃)四「隠々はあざやかにきらりとはみえねども、しっかとあるやうなを云ぞ」

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普及版 字通 「隠隠」の読み・字形・画数・意味

【隠隠】いんいん

音の盛んなさま。〔玉台新詠、焦仲の妻の為に作る〕詩 府の馬はに在り 新の車は後に在り 隱隱として何ぞ甸甸(でんでん)たる に會す、大の口(ほとり)

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