デジタル大辞泉
「玉台新詠」の意味・読み・例文・類語
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ぎょくだいしんえい【玉台新詠】
- 中国、六朝時代の詩の選集。一〇巻。陳の徐陵の編。漢から梁までの恋愛詩で、艷麗なものを多く集めてある。玉台新詠集。玉台。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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玉台新詠
ぎょくだいしんえい
中国、漢魏(かんぎ)から梁(りょう)に至る恋愛詩歌のアンソロジー。10巻。徐陵(じょりょう)撰(せん)。梁の簡文帝蕭綱(しょうこう)(在位549~551)が太子であったとき、徐陵に編集させたという。同時代の『文選(もんぜん)』が各ジャンルにわたり文章詩賦の標準を示そうとしたのに対し、範囲を恋愛詩歌に限定している。簡文帝の文学サロンから流行した軽艶(けいえん)な新詩風は、「宮体」とよばれ、精緻(せいち)な技巧を配した女性美の象徴的表現は、当時の貴族社会の美意識を色濃く反映している。『玉台新詠』の編集は、彼らの好尚を過去から現代へと及ぼしたものといえる。
[成瀬哲生]
『鈴木虎雄訳注『玉台新詠』全3冊(岩波文庫)』▽『内田泉之助訳注『新釈漢文大系60・61 玉台新詠』(1975・明治書院)』
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玉台新詠 (ぎょくだいしんえい)
Yù tái xīn yǒng
中国,南朝梁の詩集。10巻。簡文帝蕭綱(しようこう)が太子のころ,その意を受けて徐陵が編んだ。漢から梁に至る艶麗な詩を,五言の詩型を中心に収める。ことに蕭綱やその周辺にあった宮廷詩人たちの〈宮体詩〉が中心部を占める。それらは美しい女性の姿を描いたり,女性の立場で感情を詠じるところに特色がある。南朝後期の詩風の一端を示すとともに,当時の風俗・服飾の資料としても貴重である。
執筆者:興膳 宏
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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玉台新詠
ぎょくだいしんえい
Yu-tai xin-yong
中国の詩選集。簡文帝の命により徐陵が漢から梁にいたる詩を撰したもの。 10巻。帝の兄昭明太子が編纂した『文選』が,賦,詩,文のあらゆる傾向の作品を選んで文学の標準を示そうとしたのに対し,本書は男女の情愛を艶麗にうたった当時流行の「宮体」詩に限り,簡文帝を初め梁の宮廷詩人たちの詩を中心に,漢,魏以降の艶詩を付加している。本書以来そのような詩を「玉台体」とも呼ぶようになった。清代になりその校訂,注釈書として紀容舒の『玉台新詠考異』,呉兆宜の『玉台新詠箋注』が出ている。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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玉台新詠【ぎょくだいしんえい】
中国,南朝梁の簡文帝の命により,徐陵〔507-583〕の撰した古詩選集。10巻。漢〜梁の艶麗な詩を集め,梁の武帝をはじめ皇族や臣下の宮廷詩人たちの作品を中心とする。
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世界大百科事典(旧版)内の玉台新詠の言及
【中国文学】より
…梁の簡文帝のころから起こった〈宮体〉の詩は,陳の滅亡(589)までさかんに作られる恋愛の詩で官能的な美を描く。《玉台新詠》は宮体詩を主とする選集であるが,唐以後も読者は少なくなく,早く日本にも伝わっている。
[歴史と小説]
漢の司馬遷の《史記》はそれまでの編年史(年代記)と違った新しい形式(紀伝体)の歴史書である。…
※「玉台新詠」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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