雑人(読み)ゾウニン

デジタル大辞泉 「雑人」の意味・読み・例文・類語

ぞう‐にん〔ザフ‐〕【雑人】

身分の低い者。下賤の者。
「車の前に―立ち隔てて見えざりしかば」〈徒然・四一〉

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精選版 日本国語大辞典 「雑人」の意味・読み・例文・類語

ぞう‐にんザフ‥【雑人】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 社会的身分の低い者。下賤(げせん)の者。
    1. [初出の実例]「大宰大弐藤原朝臣冬緒進起請四事〈略〉其二曰、比年之間公私雑人、或陸或海、来集深入遠尋、営求善馬」(出典:日本三代実録‐貞観一二年(870)二月二三日)
    2. 「賀茂の競べ馬を見侍りしに、車の前に雑人立ち隔てて見えざりしかば」(出典:徒然草(1331頃)四一)
  3. 平安時代以後、荘園の荘官や地頭、有力農民などに隷属して、家事、農事、軍事その他の主家の雑役に使われた者。また、財産として売買質入や譲渡の対象となった者。下人。
    1. [初出の実例]「奴婢雑人事〈略〉次奴婢所生男女事」(出典:御成敗式目(1232)四一条)
  4. 鎌倉時代、侍である御家人・非御家人に対して名主・百姓以下の一般の庶民をさす。甲乙人。凡下。
    1. [初出の実例]「訴訟人座籍事〈略〉雑人、大庭〈不召外、相模・武蔵雑人等不入南坪〉」(出典:吾妻鏡‐宝治元年(1247)一二月一二日)
  5. 中世、具足をつけないで武士に従う雑兵。ぞうにんばら。
    1. [初出の実例]「名大将十四、五人打取る。雑人三千ばかり打取る」(出典:勝山記‐天文一五年(1546))

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「雑人」の意味・わかりやすい解説

雑人
ぞうにん

凡下

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