雑訴決断所跡(読み)ざつそけつだんしよあと

日本歴史地名大系 「雑訴決断所跡」の解説

雑訴決断所跡
ざつそけつだんしよあと

[現在地名]上京区藁屋町

後醍醐天皇の建武新政にあたり、元弘三年(一三三三)記録所・武者所とともに設置された令外官の一。特に所領問題の解決にあたった。

梅松論」に、「決断所と号て、新に造らる。是は先代引付の沙汰のたつ所也」とあり、六波羅ろくはらにあった鎌倉幕府の引付衆の役にあたることを述べる。「太平記」巻一二の元弘三年八月の記事に「雑訴ノ沙汰ノ為ニトテ、郁芳門ノ左右ノ脇ニ決断所ヲ被造」とあり、大内裏外郭東面の南端にある郁芳門の左右に庁舎が造られたことが知られる。郁芳門は大炊御門とも称し、東大宮大路に面していたから雑訴決断所は今の二条城の北側藁屋わらや町の地にあたる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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