雪解(読み)ユキゲ

デジタル大辞泉 「雪解」の意味・読み・例文・類語

ゆき‐げ【雪解/雪消】

雪がとけること。ゆきどけ。 春》
雪がとけてできた水。雪どけ水。

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精選版 日本国語大辞典 「雪解」の意味・読み・例文・類語

ゆき‐げ【雪解・雪消】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( ━する ) 雪が消えること。雪がとけること。また、その時やその場所。雪どけ。《 季語・春 》
    1. [初出の実例]「冬こもり 時じき時と 見ずて行かば まして恋しみ 雪消(ゆきげ)する 山道すらを なづみぞ吾が来る」(出典万葉集(8C後)三・三八二)
  3. 雪がとけて生じた水。雪げの水。
    1. [初出の実例]「射水川 雪消(ゆきげ)溢りて 逝く水の いや増しにのみ」(出典:万葉集(8C後)一八・四一一六)

雪解の補助注記

顕昭「詞華集註‐冬」(一一八三)には、「山深み焼く炭窯の煙こそやがてゆきげの雲となりけれ〈大江匡房〉」について、「雪気の雲也。雪気の空ともよめり。ゆきげの道、ゆきげの水は雪消也」と注があり、天象が後続する場合は「雪気」、道・水やその関連語が後続する場合は「雪消」とされた。


ゆき‐どけ【雪解】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 降り積もった雪が春になってとけ、水になること。また、その時。ゆきげ。《 季語・春 》
    1. [初出の実例]「越えわたるこさかの道の雪とけに帰るさくるる小野の里人〈藤原家良〉」(出典:新撰六帖題和歌(1244頃)二)
  3. ( ソ連の作家エレンブルグの小説題名による語 ) 国際間の対立緊張緩和をいう。また、対立する二者の緊張・反感などがゆるみ、和解空気が生じてくること。
    1. [初出の実例]「日本の財界が、最近の雪どけムードにともなう日ソ間の通商拡大に非常な期待をよせている事は」(出典:さらばモスクワ愚連隊(1966)〈五木寛之〉一)

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