雪野寺跡
ゆきのでらあと
雪野山南西山麓の標高一一〇―一一五メートル、竜王寺境内に古代の寺院跡があり、明治四一年(一九〇八)の「社寺堂宇明細帳」にみえる安吉山瑠璃光院雪野寺の跡とされる。遺構の遺存状態がよく、優れた塑像の発見もあって県史跡に指定されている。竜王寺山門前はかつて奈良路とよばれた農道が東西に走っている。この道は東は雪野山の鞍部を越え(シナド越といわれる)、滋賀県蒲生町や同県八日市市方面に通じ、西は日野川を渡り、川守・綾戸の集落を経て野洲川に至るもので、古代交通の要衝に位置していた。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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