主として農業的利用に用いられる農業用道路。農村と耕地との間,耕地と耕地との間を連結して,交通,収穫物,肥料や農薬,農機具の運搬に利用される。機能によって連絡用,作業用に区分でき,利用目的によって規模,構造,配置などが選択される。幹線農道は,集落相互や基幹農業施設と圃場(ほじよう)区域などを結ぶ交通量の多い道路で,一般に幅員は広幅で路面の処理も十分に行われている。また幹線農道は社会施設との関連も考慮して配置される。支線農道は,幹線農道よりも交通量は少ないが,農作業の必要性からすべての耕区の一辺へ接続している支線農道と,これにところどころで横に連絡する支線農道とからできている。近年はコンバイン,トラクターなど大型農業機械が使われるので,幅員(4~6mなど),路面舗装などが高度なものとなってきている。日本の標準区画の水田では100~120m/haの密度をもつ。これより末端農道は耕作道と呼ばれる。
執筆者:多田 敦
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
圃場(ほじょう)と圃場との間、または圃場と農家の間を連絡している道路で、人畜・車両の交通や、生産物や資材の運搬など農業の目的に利用するために設けられたものであるが、ほかの目的にも開放されている。農道には畑の区画の間のいわゆる細いあぜ道や大あぜも含まれるが、普通は車両が通れるほどの大きい道路をさす。最近は農作業が大型トラクター主体になり、トラック、コンバインなど乗用大型車両も用いるので、農道は農業基盤整備事業とも関連して、いろいろな名目で整備拡充された。道路は直線化し、また、幅は広くなり、ほとんどが舗装された。特定の地域内だけでなくいくつかの市町村を貫く広域農道もつくられ、これらはしばしば交通幹線道路のバイパス的役割をもつようになってきている。農道は単に農作業の便としてだけでなく、それによって耕地の経済的価値、地域の農作物や家畜の種類や規模など、農業経営に大きな影響を及ぼしている。
[星川清親]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…耕作,種まき,収穫,乾草の刈入れなども共同で行われ,厳しい耕作強制がしかれていた。このような状況のもとでは,村落内部とくに耕作地に農道をつくる必要は最初は少なかった。しかし人口が増加し,農業が集約化してくるにつれ,村落共同体内部でも道路の不足は大きな問題となっていった。…
※「農道」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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