知恵蔵 の解説
電子書籍交換フォーマット
日本語テキストでは、ルビ、縦書きなど独自の表現方法があり、欧米言語のファイルフォーマットでは対応できないことがあるため、日本の電子書籍ではXMDF(シャープが作成)、ドットブック(ボイジャーが作成)などの日本語フォーマットが流通していた。現時点でコミックや雑誌を除く電子書籍の大半はこのどちらかで配信されているが、フォーマット間での互換性がない。従って出版社は、どちらかのフォーマットを選択、あるいは両方製作する必要があり、コスト、製作効率、電子書籍の流通・普及など、様々な観点で合理的ではなかった。このため、まずはこの二つの形式を相互に行き来(変換)でき、さらには海外でデファクトスタンダードとなっているePUBなどへの変換も視野に入れたXMLベースの中間フォーマットを策定することとなった。これを電子書籍交換フォーマットと呼んでいる。この交換フォーマットが策定されることで、従来よりも電子書籍の製作が効率化され、幅広い流通が可能になることが期待されている。
10年後半から作業が開始され、順次成果・仕様が公開されていく予定。
(朝日新聞出版 / 2011年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報