電解析出(読み)デンカイセキシュツ

化学辞典 第2版 「電解析出」の解説

電解析出
デンカイセキシュツ
electrolytic deposition

電解浴中の電流の通過に伴い,電極面上に単体あるいは化合物が分離あるいは生成される現象.たとえば,陰極では,水素ガスの発生,金属の析出などが,陽極では,塩素ガスの発生,酸化物の生成などが起こる.これらは,水素や塩素製法,金属の精錬電気めっきなどの分野に利用される.また,電池用の二酸化マンガンや不溶性電極として用いられる二酸化鉛は,それぞれマンガンや鉛の硫酸塩の電解によって陽極面上に得られる.なお,一般に電解析出する物質は,金属や無機物に限らない.ゴムのような天然高分子物質や,ポリエチレンのような合成樹脂も,これらを適当な溶媒中に溶解,あるいは分散させて電解浴をつくり,これに通電すると電極面上に有機物を析出させることができる.分散させた粒子を用いる場合が狭義の電着である.[別用語参照]電着塗料

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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