露けし(読み)ツユケシ

デジタル大辞泉 「露けし」の意味・読み・例文・類語

つゆ‐け・し【露けし】

[形ク]露にぬれて湿っぽい。和歌などの修辞法で、涙にぬれている意を表すことが多い。 秋》
「涼しく―・き夕は空より地上に降りぬ」〈鴎外訳・ふた夜〉
「虫の音に―・かるべきたもとかはあやしや心もの思ふべし」〈山家集・上〉

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精選版 日本国語大辞典 「露けし」の意味・読み・例文・類語

つゆ‐け・し【露けし】

  1. 〘 形容詞ク活用 〙 ( 「けし」は接尾語 ) 露にぬれて湿っぽい。露が多く置いている。つゆっぽい。和歌などの修辞法で、多く「涙がちであるさま」の意を含めていう。《 季語・秋 》
    1. [初出の実例]「ひとりぬるとこはくさばにあらねども秋くるよひは露けかりけり〈よみ人しらず〉」(出典:古今和歌集(905‐914)秋上・一八八)
    2. 「ひょろひょろと猶露けしや女郎花〈芭蕉〉」(出典:俳諧・曠野(1689)四)

露けしの派生語

つゆけ‐げ
  1. 〘 形容動詞ナリ活用 〙

露けしの派生語

つゆけ‐さ
  1. 〘 名詞 〙

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