青丹よし(読み)あおによし

精選版 日本国語大辞典 「青丹よし」の意味・読み・例文・類語

あおに‐よし あをに‥【青丹よし】

[1]
地名奈良」にかかる。奈良坂のあたりから、顔料塗料として用いる青土(あおに)を産出したからという。「よし」は間投助詞
古事記(712)下・歌謡「阿袁邇余志(アヲニヨシ) 奈良を過ぎ 小楯(をだて) 大和を過ぎ」
万葉(8C後)三・三二八「青丹吉(あをによし)寧楽(なら)みやこは咲く花の薫(にほ)ふが如く今盛りなり」
② 「国内(くぬち)」にかかる。
※万葉(8C後)五・七九七「悔しかもかく知らませば阿乎爾与斯(アヲニヨシ)国内(くぬち)ことごと見せましものを」
③ 奈良と同音を含む「ならふ」にかかる。
散木奇歌集(1128頃)雑「此世をば仮ともいはんあをによしならはぬ身にはそれもそふなど」
[2] 〘名〙 菓子の名。片栗と砂糖を原料として、短冊形に押し固め、表面に斜めに白いかすり引きの模様をつけたもの。奈良の名物。

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デジタル大辞泉 「青丹よし」の意味・読み・例文・類語

あおに‐よし〔あをに‐〕【青丹よし】

[枕]
「奈良」にかかる。奈良坂で顔料の青土を産したところからという。
「―奈良の都は」〈・三二八〉
国内くぬち」にかかる。
「―国内ことごと見せましものを」〈・七九七〉

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デジタル大辞泉プラス 「青丹よし」の解説

青丹よし

奈良県の名物菓子。和三盆葛粉を用いて短冊形に打ち固めた干菓子

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