韮生野村(読み)にろうのむら

日本歴史地名大系 「韮生野村」の解説

韮生野村
にろうのむら

[現在地名]香北町韮生野・美良布びらふ

小川おがわ村の西、韮生郷最大の広さをもつ物部ものべ川河岸平野を三分した東端に位置する村で、西は上野尻かみのじり村。対岸日御子ひのみこ村との間に渡船があった。村内には式内社大川上美良布おおかわかみびらふ神社が鎮座し、付近には縄文・弥生時代の遺跡もあるなど、早くから開けた地であるが、山ひだを流れ下る乏しい谷水では一部しか灌漑できず、江戸時代に至るまで原野や畠地が広がっていた。

戦国時代には土豪有光氏が当村に住したが、その略系図(「香北町史」所収)などによれば祖先は一条氏に従って来国、韮生郷で知行を受け、のちには山田氏に仕え、大川上美良布神社の神職も務めたが、山田氏滅亡後長宗我部氏に仕えたという。「南路志」所収の天文一二年(一五四三)の棟札に「大檀主大中臣基道(中略)神主有光弾正忠知幸」とある。天正一六年(一五八八)の韮生谷地検帳によると韮生野ノ村の東に有光ノ村があり、城跡として有光詰・二塀、および馬場や門田が並ぶ。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android