頃・比(読み)ころ

大辞林 第三版の解説

ころ【頃・比】

時間・時期を限定する語に付いて、だいたいその時であることを示す。その時あたり。時分。 「幼い-の思い出」 「あれは東京に住んでいた-のことだ」 「紅葉の-にまたいらっしゃい」
時節。時期。文語的な言い方。 「 -は六月、雨の降る日」
適当な時期。潮時。頃合い。 「 -を見計らう」
大きさ。規模。 「宗砌云、会衆の-は上手三人・下手三人・執筆の外、下手二人と/兼載雑談」 「雀の-は梟ふくろ程ながよからう/咄本・昨日は今日」
程度。加減。 「これお吉、人の世話もよい-にしたがよい/浄瑠璃・油地獄
「ごろ」の形で他の語の下に付いて、接尾語的に用いる。
時を表す語に付いて、その前後を漠然と示す。 「一時-帰る」 「二月-できあがる」 「一六〇〇年-」
動詞の連用形に付いて、そうするのにちょうどよい状態である意を表す。 「桜は今が見-だ」 「食べ-」
名詞に付いて、その面でほどよいの意を表す。 「年-」 「値-」 「手-」
年・月・日などの語に付いて、かなり時間の経過したことを表す。 「年-も御祈りなどにつけ、語らひ給ひけれど/源氏 夢浮橋」 「月-隠させ給ひける本意/源氏 夢浮橋

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

精選版 日本国語大辞典の解説

ころ【頃・比】

〘名〙
① ある時をおおよそに限定してさす語。その時のあたり。時分。ころおい。
※万葉(8C後)一〇・二二六二「秋萩を散らす長雨の降る比(ころ)は独り起き居て恋ふる夜そ多き」
② 特に現在を強調していう。動詞に接して、「今は…する」の意で詠嘆的に用いる。
※万葉(8C後)四・五一八「春日野の山辺の道をおそりなく通ひし君が見えぬ許呂(コロ)かも」
③ 時節。季節。おり。
※枕(10C終)二「は、正月、三月、四月、五月、七八九月、十一二月、すべてをりにつけつつ、一とせながらをかし」
④ かなり長い一定の期間。多く、「年頃」「日頃」などと熟して用いられる。
※古今(905‐914)恋四・六九七「敷島のやまとにはあらぬ唐衣ころもへずしてあふよしも哉〈紀貫之〉」
⑤ 適当な時。ころあい。しおどき。
※東京年中行事(1911)〈若月紫蘭〉五月暦「花の見頃は矢張五月の始頃で、甲武線では丁度頃(コロ)を計って、各方面から臨時電車を増発して居るが」
⑥ 適切な大きさ。適当な程度。また、おおよそのところ。
※源氏(1001‐14頃)東屋「まだ、ころの御徳なきやうなれど、おのづから、やむごとなき、人の御けはひのありげなるやう」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

関連語をあわせて調べる

今日のキーワード

人望

信頼できる人物として、人々から慕い仰がれること。「人望を集める」「人望を失う」...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android