コロ

デジタル大辞泉 「コロ」の意味・読み・例文・類語

コロ(Coro)

ベネズエラ北西部の町。正式名称サンタアナ‐デ‐コロ。首都カラカスの西約320キロメートルに位置し、カリブ海に面する。16世紀前半にスペイン人が入植し、同国初期の植民都市となった。続いて16世紀にスペイン国王から開拓権を借り受けたドイツ商人のウェルザー家が支配した。砂糖貿易の拠点として栄えたが、度重なる海賊の襲撃などを受けて衰退。スペインとオランダの影響を受けた古い町並みが残り、1993年に「コロとその港」の名称で世界遺産(文化遺産)に登録。また、豪雨による被害を受けたため、2005年に危機遺産に指定された。

ころ

クジラの皮を煎り、脂肪を抜いて乾燥させたもの。関西で、関東だき(煮込みおでん)の具などにする。

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精選版 日本国語大辞典 「コロ」の意味・読み・例文・類語

コロ

  1. 〘 名詞 〙 ( 「コロリ」の略 ) =コレラ
    1. [初出の実例]「去年のやうにころでも流行りゃア」(出典:歌舞伎・小袖曾我薊色縫(十六夜清心)(1859)二幕)

ころ

  1. 〘 名詞 〙ころせん(━銭)
    1. [初出の実例]「ころ、せんとく、やけ銭、下々の古銭」(出典:四天王寺文書‐永祿一二年(1569)三月一日・織田信長掟書)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「コロ」の意味・わかりやすい解説

ころ

重いものを運搬または移動するときに使用する円筒状の道具。紀元前から、丸い棒を利用すると重いものを運搬する作業がきわめて楽になることが知られていた。地面に数本の丸太を並べて置き、その上に乗せて引っ張れば、丸太は回転し、わずかな力で重いものを動かせる。ころがり摩擦が滑り摩擦よりはるかに小さいことを利用した1本の棒は、ころとよばれて広く使用されるようになった。ピラミッドオベリスク、バベルの塔などの建設にも大きな石を運搬するのにころが使用された。

 この丸太はやがて車輪へと発達した。丸太を輪切りにした車輪の中心に軸を取り付け、その上に車台を乗せた荷車が運搬用に使用されるようになった。初期の木製の車は完全な円形ではなく、それほど堅くもなかったが、やがて車輪・車軸・車台なども十分な強度をもつように改良され、運搬能率は向上した。車輪は急速に改善され、牛や馬に引かせるようになり、運搬能率は向上した。紀元前2000年ごろスポークのついた大きな車輪が使用されるようになった。エジプトメソポタミアギリシア、中国などで使われたこの新式の車輪は、一枚板の車輪よりも軽くて機動性に富み、凹凸の激しい道路でもぐあいよく回転した。車輪はさらに鋼鉄製、周囲にタイヤをつけたものなどに発展し、機関車、自動車などに利用され今日に至っている。

 この原理によるころ軸受は、金属製が18世紀後半から水車・風車・汽船などの軸に使われ、19世紀中ごろから精密加工した鋼その他の合金製ころ軸受(ローラーベアリング)が発明され、摩擦と潤滑の力学を発展させた。円柱状の金属製ころを多数並べたローラーコンベヤーは、工場などで製品・半製品を運搬するのに用いられている。乗せた品物を手で押して、ローラーの上を滑らせて移動させたり、ローラーを並べたコンベヤーに傾斜をつけ、品物の自重で動くようにしているものもある。

 軸を支える軸受で、回転時の摩擦を少なくするために、ボールベアリングのボールのかわりにころを入れたローラーベアリングも広く使用されている。重荷重の場合にはころを非常に細く針状にしたニードルベアリングが使われる。

[中山秀太郎]

『W・オーエン、E・ボーエン著、中山秀太郎訳『車と文明』(1977・タイムライフブックス)』


コロ
ころ
Rene Kollo
(1937― )

ドイツのテノール歌手。ベルリンに生まれる。祖父のワルター・コロWalter Kollo(1878―1940)、父のウィリー・コロWilli Kollo(1904―88)は、ともに成功したオペレッタ作曲家であった。オペレッタやライト・ミュージックから出発したルネは、正規の音楽教育を1958年まで受けたことがなかったが、ベルリンでエルザ・バレーナElsa Verenaに65年まで師事。

 同年ブラウンシュワイクでオペラ・デビューを果たした。ついで67~71年ケルンのオペラ劇場においてリリカル・テノールの主役を務める。69年のバイロイト音楽祭における『さまよえるオランダ人』への出演を皮切りに、ワーグナーリヒャルト・シュトラウスのオペラに多数出演。70年代から80年代にかけては世界各地の劇場に招かれ、ミラノ・スカラ座ではシュトラウスアラベラ』、ウィーン国立歌劇場でワーグナー『パルジファル』に出演したほか、ザルツブルク音楽祭、ニューヨークのメトロポリタン歌劇場『ローエングリン』などに出演している。

 ワーグナー歌手として有名だが、声の質としては比較的軽いのが特徴。また、ドイツ語圏の地域ではオペレッタのスターとして知られ、70年代には『チャールダーシュの女王』(カールマン)、『ほほえみの国』(レハール)、『ウィーン気質(かたぎ)』(ヨハン・シュトラウス(子))などの舞台にも出演した。日本での初公演は87年(昭和62)、ベルリン・ドイツ・オペラにおける『ニーベルングの指環(ゆびわ)』のジークフリート役であった。以後、88年のバイエルン国立歌劇場、89年(平成1)ウィーン国立歌劇場との来日公演でも得意なワーグナーを披露している。シリアスな役も陽気な役も人間味に溢れた洗練された歌唱と演技で繰り広げ、熱狂的なファンも多い。また歌曲の作曲のほか80年代後半からはオペラの演出を手がけるなど、多彩な活動を行う。

[小沼純一]

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普及版 字通 「コロ」の読み・字形・画数・意味

】ころ

からから笑う。また、ふくべ。〔東軒筆録、一〕陶一時の冠爲り。然れども其の人と爲り傾險狠媚、~太喜ばず。~曰く、頗(すこ)ぶる聞く、林の制、皆人の本を檢し、詞語を改換すと。此れ乃ち俗に謂(いはゆる)樣(やう)に依りてを畫くのみと。

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】ころ

まこもと、あし。隠者退隠の所をいう。清・銭謙益〔前韻に畳して何三季穆に答ふ、四首、三〕詩 湖の憂、惟だ汝獨りのみ の豪に誰(たれ)か如(し)かん

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魯】ころ

、ふくべ。

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】ころ

ふくべ。

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盧】ころ

ふくべ。

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【胡】ころ

ひさご。

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百科事典マイペディア 「コロ」の意味・わかりやすい解説

コロ

セルビア・クロアチア語で輪舞の意。南スラブ諸族の代表的な民俗舞踊の意で用いられる場合には,輪舞以外の形態の踊りも含む。古代ギリシアのコロスの踊りに由来するものといわれ,同種の踊りがマケドニアではオロoro,ブルガリアではホロhoro,ルーマニアやモルドバではホラhora,現代ギリシアではシルタキsyrtakiなどと呼ばれ,バルカン一帯に広く見られる。これらの踊りは元来はゆっくりした単純な2拍子系のものだったと思われるが,アクサクaksakと呼ばれる2と3の単位をいろいろに組み合わせた不規則なリズム(トルコ系の変拍子)のものが浸透するにつれ,各地で独自のリズムのものが生み出されていった。ホラは,建国まもないイスラエルに移入され,適度の速さの4拍子の輪舞となり,民族活動のシンボルとなった。

コロ

ベネズエラのカリブ海に面した町。1527年スペインの植民都市として建設された。沖合のオランダ領の島との影響で,スペインのコロニア様式とオランダのバロック様式を取り入れた建物が多く残されている。植民地時代を伝えるアーチや聖ガブリエル聖堂などがあり,ラ・ベラには礼拝堂などオランダ風の建造物がある。この町の景観は1993年,世界文化遺産に登録。景観破壊や大雨による被害により,2005年危機遺産リストに登録された。

ころ

鉄や木材で作った円柱体で,重いものを運ぶときその下に置き,すべり摩擦を小さなころがり摩擦に変える。古くから使われ,ころ軸受などにも利用される。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コロ」の意味・わかりやすい解説

コロ
Coro

ベネズエラ北西部,ファルコン州の州都。カリブ海に突出するパラグアナ半島と本土を結ぶ地峡の本土側のつけ根に位置する。 1527年スペイン人が建設。植民地時代初期には伝説の黄金郷エルドラドを求める多くの探検家の基地となった。高温な砂漠地帯にあるが,周辺では灌漑によりタバコ,コーヒー,カカオ,ヒマなどが栽培される。パラグアナ半島南西岸に大規模な製油所が建設されて以降,同地域を西のマラカイボ油田および東の首都カラカス方面に結ぶ交通の要地となり,商業が発展。市内にはハンモック,石鹸,製靴,葉巻などの工場がある。東北東約 10kmには外港ラベラがあり,鉄道,道路で連絡。植民地時代の面影を残す町並みは,ラベラ港とともに,1993年世界遺産の文化遺産に登録。人口 12万 4616 (1990) 。

コロ

(1) kolo バルカン半島一帯で行われる民俗舞踊。「車輪」に由来し,大勢が輪になって踊る。手のつなぎ方やステップには地方によって相違があり,踊りの輪が閉じたり開いたり,円や半円になるなどさまざまな形式がある。民族楽器グスリの伴奏がつく。 (2) Kolo 旧ユーゴスラビアの国立民族舞踊団の名称。 1948年創設され,レパートリーはセルビア,マケドニアの民俗舞踊をヤンコビッチ姉妹が収集して舞台化したものから成っていた。

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世界大百科事典(旧版)内のコロの言及

【民族舞踊】より

…今日ではアンダルシア地方の民俗舞踊の影響でカスタネットを打ち鳴らすものが多くみられる。 民俗舞踊ではバルカン地方一帯にみられるコロがある。名称は地方によって少しずつ異なるが,たいていカップルで体形を作って踊られる。…

【ユーゴスラビア】より

…ボスニア・ヘルツェゴビナなどでは,金貨や銀貨を装身具に使用している。輪舞コロを踊ると,涼しい音色を響かせる。
[民族料理]
スロベニアはオーストリア風の味つけで,あっさりしたものが多い。…

※「コロ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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