「領」はすべる,おさめる,とりしまるの意,「掌」はつかさどるの意。領有し支配すること。とくに中世では,所職や所領を領有し相当の職分をつかさどり,応分の収益をえることをさしていった。古くは,「りょうじょう」と読んで領状と混用されることがあったらしい。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報
…東八ヶ国ヨリ始メテ,王城ヲ領セム〉(《今昔物語集》)と述べており,〈領〉が〈支配〉の意味であることは明白だが,この〈領〉も漢語では〈統べ治める〉意味で〈押領〉という熟語を形成していた。〈領掌〉という言葉も本来官職の執行を意味していた。これが日本ではやがて前掲《今昔物語集》のように,正当な権原の有無にかかわらず実力支配の下におくことを指すようになったのである。…
…(1)は具体的には領有権者の委任をうけて土地を管理し,いわゆる勧農の沙汰,荒地開発などを遂行する権限を含むものであり,下地に対する沙汰権を意味する。一般に地頭職で安堵の対象とされた御家人の所領は,単なる所当・上分の知行ではなく,直接的な土地支配を通じて得分の知行を実現する下地知行=領掌に存した。かかる意味での土地支配権を下地管理権と称し,地頭職の職権においてその中核をなすものであった。…
…古語の〈しる〉(自分のものにする,自分のものとして取り扱う,という意味で,英語のmasterにほぼ相当する言葉)に漢字の〈知〉があてられたところから,〈知り行う〉→〈知行〉と展開したものと思われる。同じ〈しる〉に〈領〉の字もあてられており,そこから発生した〈領掌(りようしよう)〉も知行とほぼ同じ意味に用いられた。近代官僚制的職務とちがって,古代の職務は一般にそれに伴う特権や権益と一体視されていたから,職務を知行することは,それとともになんらかの利益を自分のものにする(〈しる〉)ことでもあったのである。…
※「領掌」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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