職分(読み)しょくぶん

精選版 日本国語大辞典 「職分」の意味・読み・例文・類語

しょく‐ぶん【職分】

〘名〙
職務上の本分。職務として当然しなければならないこと。仕事としてのつとめ。役目
※彝倫抄(1640)「臣下たるものは大小によらず、面々うけとりたる職分(ショクブン)をつくすを肝要とすることなり」 〔尹文子‐大道上〕
自分の行なうべきつとめ。自分が、人間として当然しなければならない事柄。本分。
※清原国賢書写本荘子抄(1530)五「分守は各己が職分を守を云」
学問のすゝめ(1872‐76)〈福沢諭吉〉二「学問とは〈略〉人たる者の職分を知ることなり」 〔諸葛亮‐前出師表〕

しき‐ぶん【職分】

続日本紀‐和銅四年(711)五月辛亥「帳内資人雖名入式部、不予選之限、既叙位記者許之、職分不此例

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デジタル大辞泉 「職分」の意味・読み・例文・類語

しょく‐ぶん【職分】

その職についている者がしなければならない仕事。「職分を全うする」「職分を果たす」「画家職分
各人それぞれ立場で力を尽くしてなすべき務め。本分。
「学問とは…人たる者の―を知ることなり」〈福沢学問のすゝめ
[類語]職務職掌勤めにん任務義務責任責務本務使命役目やく役儀ぶん本分職責責め課業日課

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普及版 字通 「職分」の読み・字形・画数・意味

【職分】しよくぶん

職責。なすべき務め。蜀・諸亮〔出師の表〕庶(ねが)はくは駑鈍(どどん)を竭(つく)して姦凶を攘除し、室を興復してさんことを。此れ臣の先に報じて陛下に忠なる以のなり。

字通「職」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の職分の言及

【年功的労使関係】より

…日本の労使関係においては,この2様の意味をもつ年功がいろいろな人事処遇制度を貫く原理となってきた。これは,表に示した身分(現在は資格と呼ばれることが多い)・職分(現在は職制と呼ばれることが多い)制度によくあらわされている。この表の意味は,勤続年数5年未満の者は,原則として身分は並工で役付になることはないが,5~10年の間に能力評価,業績評価によって,順次三等工手に昇格し,伍長は三等工手の中から選ばれる(以下同じ)ことである。…

※「職分」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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