頭崎城跡(読み)かしらざきじようあと

日本歴史地名大系 「頭崎城跡」の解説

頭崎城跡
かしらざきじようあと

[現在地名]東広島市高屋町貞重

標高五〇四・三メートル、比高二〇〇メートルの頭崎山頂に築かれた平賀氏の拠城。県指定史跡。平賀氏系譜(平賀家文書)の興貞の項に「大永三年六月、尼子伊予守経久強入東西条、責落鏡城、不幾而帰国候由、是当国不安静之間、同年之冬於神前取鬮、任其旨誘頭崎山為要害、同五年大内左京大夫義興自身発軍、陶尾張守興房為先勢而着世能、次第々々発向ト雖、当城依山高岸嶮、軍勢終不越堺目、開運属無為、故至子孫亦弥奉崇敬大明神、祭祀不可怠者也」とあり、安芸における尼子勢力が一気に強まり、平賀氏自身も大内方から尼子方に寝返った大永三年(一五二三)の政治的緊張のなかで当城が築かれたことが知られる。それまで拠っていた白山しろやま城の戦略的弱点を考えて、版図の北に偏してはいるが、御薗宇みそのう白山両城から等距離にあり、白山城の二倍の比高をもち、高屋保一望のもとにできる頭崎山が新城に選定されたのであろう。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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