頼重(読み)らいじゅう

朝日日本歴史人物事典 「頼重」の解説

頼重

没年:察度35.8.21(1384.9.6)
生年:生年不詳
真言宗僧侶。頼重が入滅したことを記した『球陽』(琉球正史)には,琉球の護国寺開山住持で,琉球国に来た時期や寺を建立した時期は不明とする。『琉球国由来記』の波上山護国寺の住持次第(歴代僧侶)には,開山は頼重,第2代以後数十年は記録がないと記しながら,次の住持が登場するのは頼重没後160年以上で,護国寺の開山とするには無理がある。ただ,頼重が14世紀に来琉したことは確かであり,察度王の信任を得て真言宗を布教,当地で入滅したことで,頼重を護国寺の開山に位置づけた可能性は強い。また,歴代の住持の中に「頼」がつく僧が多いのも注目に値する。

(上江洲敏夫)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の頼重の言及

【護国寺】より

…山号は波上山。開山は,縁起や史書には薩摩国坊津一乗院より来琉した頼重法印とし,1384年に入滅したという。しかし,その護国寺は浦添城(現,浦添市)近くにあったもので,現在の寺は現所在地にあった大安禅寺が廃絶した跡に日秀上人が開創したとの説もある。…

※「頼重」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む