朝日日本歴史人物事典 「頼重」の解説
頼重
生年:生年不詳
真言宗の僧侶。頼重が入滅したことを記した『球陽』(琉球の正史)には,琉球の護国寺の開山住持で,琉球国に来た時期や寺を建立した時期は不明とする。『琉球国由来記』の波上山護国寺の住持次第(歴代僧侶)には,開山は頼重,第2代以後数十年は記録がないと記しながら,次の住持が登場するのは頼重没後160年以上で,護国寺の開山とするには無理がある。ただ,頼重が14世紀に来琉したことは確かであり,察度王の信任を得て真言宗を布教,当地で入滅したことで,頼重を護国寺の開山に位置づけた可能性は強い。また,歴代の住持の中に「頼」がつく僧が多いのも注目に値する。
(上江洲敏夫)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報