顕証(読み)ケソウ

デジタル大辞泉 「顕証」の意味・読み・例文・類語

け‐そう【証】

[名・形動ナリ]《「そう」は「しょう」の直音表記》「けんしょう(顕証)」に同じ。
あなたはいと―なれば、この奥にやをらすべりとどまりてゐたり」〈紫式部日記

けん‐そう【顕証】

[名・形動ナリ]《「そう」は「しょう」の直音表記》「けんしょう(顕証)」に同じ。
「道―ならぬ先にと、夜深う出でしかば」〈更級

け‐しょう【顕証】

[名・形動ナリ]けんしょう」の撥音の無表記。
「勢ひことに住み満ち給へれば、―に人しげくもあるべし」〈玉鬘

けん‐しょう【顕証】

[名・形動ナリ]《「けんそう」とも》あらわで、人目につくこと。また、そのさま。
有り明けの月いみじく明かかりければ、―にこそありけれ、いかがすべからむ、と」〈大鏡花山院

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「顕証」の意味・読み・例文・類語

け‐しょう【顕証】

  1. 〘 名詞 〙 ( 形動 )( 「けんしょう(顕証)」の撥音「ん」の無表記 ) あらわなこと。いちじるしいこと。目に立つこと。また、そのさま。けそう。けんそう。
    1. [初出の実例]「あるまじき事とは深く思ひ給へるものから、けせうにはしたなきさまには、えもてなし給はぬも」(出典:源氏物語(1001‐14頃)宿木)

けん‐しょう【顕証】

  1. 〘 名詞 〙 ( 形動 ) 表にはっきり物事があらわれていること。きわだっていること。著しいこと。露わなこと。また、そのさま。けんぞ。けんそう。けんしょ。けしょう。
    1. [初出の実例]「いとけむせうなる心地すれば、あれか人かにおぼゆる」(出典:蜻蛉日記(974頃)中)

け‐そう【顕証】

  1. 〘 名詞 〙 ( 形動 ) =けしょう(顕証)
    1. [初出の実例]「此の児のかたちけそうなること世になく、屋のうちは暗き所なく光り満ちたり」(出典:竹取物語(9C末‐10C初))

けん‐そう【顕証】

  1. 〘 名詞 〙 ( 形動 ) =けんしょう(顕証)
    1. [初出の実例]「げに、けんそうの人は、見るもをかしうありしを」(出典:能因本枕(10C終)四二)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む