最新 地学事典 「風化フィードバック」の解説
ふうかフィードバック
風化フィードバック
weathering feedback
岩石の風化作用による数十万年以上の時間スケールでの気候の安定化のメカニズム。岩石を構成する珪酸塩鉱物は,風化によって大気中からCO2を除去する働きをする。除去されたCO2はイオン化して河川や海洋に流入し,海洋では炭酸塩鉱物が沈殿する。この一連の風化作用によって,大気中のCO2は消費されるが,その速度は気候状態(気温や降水量)に応じて変化する。すなわち,温暖化が生じた場合,風化速度が増加し大気中CO2濃度が低下し,温暖化が抑制される。逆に寒冷化が生じた場合,風化速度が低下し大気中CO2濃度が増加し,寒冷化が抑制される。このメカニズムにより,大気中CO2濃度の暴走的挙動が抑制され,数十万年以上の地質学的時間スケールでは気候が安定に保たれると理解されている。提唱者J.C.G. Walkerにちなみ,ウォーカーフィードバックともいう。参考文献:J.C.G. Walker et al.(1981) J. Geophys. Res., Vol. 86:9776
執筆者:尾﨑 和海
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

