飛ぶ火(読み)トブヒ

デジタル大辞泉 「飛ぶ火」の意味・読み・例文・類語

とぶ‐ひ【飛ぶ火/×烽/×燧】

古代、外敵襲来などの異変を知らせるために、火を燃やし、煙を立てた施設

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精選版 日本国語大辞典 「飛ぶ火」の意味・読み・例文・類語

とぶ‐ひ【飛火・烽・燧】

  1. 〘 名詞 〙 古代、海外からの外敵侵入に備えて設置された非常警報用の施設。また、そこで行なう急を知らせる合図。昼は煙をあげ、夜は火を焚いて合図とした。また、その任に当たる者をさしていうこともある。天智天皇称制三年(六六四)白村江で敗れ朝鮮半島より撤退したときに初めて九州におかれ、沿岸から大宰府に、大宰府から瀬戸内海沿岸の烽台を経て京に連絡した。令の規定では四〇里(現在の約二一キロメートル)ごとにおき、住民のうちから烽長二人、烽子四人を任命して常時見張らせた。任期三年で烽長は課役を、烽子は徭役を免除された。延暦一八年(七九九)大宰府管内を除き停廃。のち、寛平六年(八九四)、出雲国、隠岐国につくられた。烽(ほう)烽燧(ほうすい)
    1. [初出の実例]「対馬嶋、壱岐嶋、筑紫国等に防と烽(トフヒ)を置く」(出典日本書紀(720)天智三年是歳(北野本訓))

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