食入る(読み)クイイル

デジタル大辞泉 「食入る」の意味・読み・例文・類語

くい‐い・る〔くひ‐〕【食(い)入る】

[動ラ五(四)]
物の内部に強く深く入り込む。食い込む。「ロープ手首に―・る」
視線などが、対象に深く入り込む。「テレビに―・る」「―・るように見つめる」

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「食入る」の意味・読み・例文・類語

くい‐い・るくひ‥【食入】

  1. 〘 自動詞 ラ行五(四) 〙
  2. かみついている歯が、深く物にはいり込む。また、強く密着した縄などが、肉に食い込む。〔日葡辞書(1603‐04)〕
    1. [初出の実例]「抜んと悶けども抜けず、愈々指に食(ク)ひ入(イ)るばかり」(出典指輪の罰(1902)〈国木田独歩〉三)
  3. 心、視線などが対象の中に強く、また深くはいり込む。没入する。また、強い影響力をもって心の中などにはいり込む。
    1. [初出の実例]「今『西洋血潮小嵐』『自由の凱歌』など云ふ小説に余念もなく喰ひ入る時となった」(出典:思出の記(1900‐01)〈徳富蘆花〉三)
    2. 「食いいるように前方の一点をみつめたまま」(出典:小説平家(1965‐67)〈花田清輝〉三)

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