ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「食品産業」の意味・わかりやすい解説 食品産業しょくひんさんぎょう 食料品を供給する機能をもつ産業の総称。従来いわれてきた加工段階の食品工業にとどまらず,素材供給産業としての農業,水産業,化学工業などから,流通段階としての食品流通業,さらに飲食店などを含めていう場合が多い。食品加工段階の食品工業が中心になるが,この分野は肉製品・乳製品製造業,水産食料品製造業,野菜果実加工業,調味料製造業,精穀,精粉,パン菓子製造業,飲料製造業などに分れている。特色としては,産業範囲がきわめて広範囲であること,素材が農産物,水産物,畜産物で鮮度や輸送条件に制約があったり,季節性が強い場合が多いこと,技術や嗜好の変化によって新旧産業の交代や競争が激しいこと,加工の方法にいろいろな選択があり,商品の内容,性格が一定しないこと,中小企業が多いこと,などがあげられる。食品産業の内容変化や発展速度は,国民の生活パターンの変化に最も大きく左右されるが,この背景には都市化の進展や余暇の増大,情報化の進展,所得増大,教育水準の向上といったことが大きく影響している。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by