飼う(読み)カウ

デジタル大辞泉 「飼う」の意味・読み・例文・類語

か・う〔かふ〕【飼う】

[動ワ五(ハ四)]
食べ物を与えて動物を養い育てる。「猫を―・う」
動物に食べ物・水を与える。
「鷹に―・はんとて、生きたる犬の足を斬り侍りつるを」〈徒然・一二八〉
毒や薬などを飲ませる。盛る。
馬銭まちんといへる毒を―・うて殺したるらん」〈仮・浮世物語・三〉
[可能]かえる
[類語]飼育子飼い

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「飼う」の意味・読み・例文・類語

か・うかふ【飼】

  1. 〘 他動詞 ワ行五(ハ四) 〙
  2. 動物に食べ物や水を与える。
    1. [初出の実例]「さ檜の隈(くま)檜の隈川に馬駐(とど)め馬に水令飲(かへ)吾外(よそ)に見む」(出典万葉集(8C後)一二・三〇九七)
    2. 「虫の籠どもに、露かはせ給ふなりけり」(出典:源氏物語(1001‐14頃)野分)
  3. 食べ物や水などを与えて生命を養う。飼育する。
    1. [初出の実例]「鉗(かなき)着け吾が柯賦(カフ)駒は 引出せず」(出典:日本書紀(720)白雉四年七月・歌謡)
    2. 「ちいさきわらは、牛を飼き」(出典:観智院本三宝絵(984)下)
  4. ( から転じて ) 人や動物に毒や薬などを与える。また、比喩的に用いて、悪知恵などを授ける。
    1. [初出の実例]「人にくすりをかふて馬になす」(出典:天理本狂言・人を馬(室町末‐近世初))
    2. 「馬銭(まちん)といへる毒を飼(カフ)て殺したるらん」(出典:仮名草子・浮世物語(1665頃)三)

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