飾八幡宮(読み)かつしかはちまんぐう

日本歴史地名大系 「飾八幡宮」の解説

飾八幡宮
かつしかはちまんぐう

[現在地名]市川市八幡四丁目

国道一四号(旧佐倉道)の北側にあり、同道からの参道(現在は京成本線が横切る)が通じている。中央に誉田和気命、右に玉依比売命、左に息長帯姫命を祀り、旧県社。寛政五年(一七九三)境内大木根元から掘出されたと伝える元亨元年(一三二一)二月一七日の年紀がある梵鐘(県指定文化財)の銘に「東州下総 第一鎮守 葛餝八幡」とみえる。同銘文によれば当宮は寛平年中(八八九―八九八)宇多天皇勅願によって建立され、建久年中(一一九〇―九九)以来源頼朝の崇敬を受けたというが、ここに記された創建年代には疑問がもたれている(市川市史)。しかし平安中期以後に八幡信仰が全国に広まったことにより下総にも八幡社が置かれたと推定され、保元三年(一一五八)一二月三日の官宣旨(石清水文書)に山城国石清水いわしみず八幡宮極楽寺領として下総国「葛餝別宮」がみえ、この別宮が当宮の前身とみなされている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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