(読み)カレイ

デジタル大辞泉 「餉」の意味・読み・例文・類語

かれい〔かれひ〕【×餉】

かれいい」の音変化。
「常知らぬ道の長手をくれくれといかにか行かむ―はなしに」〈・八八八〉

かれ‐いい〔‐いひ〕【×餉/飯】

炊いた米を乾燥させたもの。旅行などに携帯した。ほしいい。かれい。
「木の蔭に下りゐて、―食ひけり」〈伊勢・九〉

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精選版 日本国語大辞典 「餉」の意味・読み・例文・類語

かれいかれひ【餉】

  1. 〘 名詞 〙 「かれいい(餉)」の変化した語。
    1. [初出の実例]「常知らぬ道の長手をくれくれと如何(いか)にか行かむ糧米(かりて)は無しに 一云、可例比(カレヒ)はなしに」(出典万葉集(8C後)五・八八八)

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普及版 字通 「餉」の読み・字形・画数・意味


15画

[字音] ショウ(シャウ)
[字訓] かれいい・かて・おくる

[説文解字]

[字形] 形声
声符は向(しよう)。向は神を迎えるところをいう。もと神に供える意。〔説文〕五下に「(おく)るなり」とあり、食を饋ること。田野で働く人や、あるいは役戍に従う人におくることをいい、弁当をいう。〔説文〕に「は餉田なり」「饋は餉なり」「(じやう)、人、餉を謂ひてと曰ふ」とみえる。

[訓義]
1. かれいい、かて、弁当。
2. 弁当をおくる。
3. 食事する、食事する程度の短い時間。
4. と通用する。

[古辞書の訓]
〔新字鏡〕餉 夜志奈不(やしなふ)、、止毛々々志(ともともし)〔和名抄〕餉 四聲字に云ふ、餉はを以て人にるなり。加禮比於久留(かれひおくる)と訓む。俗に加禮比(かれひ)と云ふ 〔名義抄餉 ヤシナフ・トモシ/餉 カレヒオクル・カレヒ/一餉 シバシバカリ 〔字鏡集〕餉 ヤシナフ・オクリモノ・カレイヒ・イヒオクル・オクル・ハク

[語系]
餉・sjiangは同声。〔説文〕五下に「は、人、餉を謂ひてと曰ふ」とみえる。

[熟語]
餉遺餉運・餉億餉乾餉餽餉饋餉給餉銀・餉餉需餉酬・餉・餉台・餉道餉米
[下接語]
一餉・帰餉・餽餉・饋餉・救餉・餉・軍餉・見餉・午餉・貢餉・餉・芻餉・致餉・朝餉・転餉・伝餉・飯餉・分餉・野餉・糧餉

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