饕餮(読み)とうてつ

精選版 日本国語大辞典 「饕餮」の意味・読み・例文・類語

とう‐てつタウ‥【饕餮】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 金銭飲食などをむさぼること。きわめて貪欲なこと。また、その人。
    1. [初出の実例]「饕餮厭く無く細民の膏血を浚て憚らざるなり」(出典:泰西国法論(1868)〈津田真道訳〉三)
    2. [その他の文献]〔春秋左伝‐文公一八年〕
  3. とうてつもん(饕餮文)呂氏春秋先識

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普及版 字通 「饕餮」の読み・字形・画数・意味

【饕餮】とう(たう)てつ

悪獣の名。古銅器文様饕餮文があり、おおむね器の鼻梁を中心とした虎の展開図を用いる。饕餮は虎を文様化したものであろう。〔呂覧、先識〕鼎に饕餮を(つ)く。首りて身無く、人をらひて未だ咽せざるに、其の身にぶ。言を以て報(償)するなり。不善を爲せば亦(ま)た然るなり。

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世界大百科事典(旧版)内の饕餮の言及

【饕餮文】より

…《春秋左氏伝》によれば,縉雲氏にできの悪い息子がおり,飲食や財貨をむさぼり,身よりのない者や貧乏人まで苦しめた。そこで人々は彼を饕餮と呼んだという。饕は財貨をむさぼること,餮は飲食をむさぼることを意味する。…

※「饕餮」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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