狂言の曲名。鬼狂言。鎮西八郎為朝(ちんぜいはちろうためとも)(大蔵流では鎮西ゆかりの者)が西国から都へ上る途中、鬼に襲われる。親鬼(シテ)は自分の娘の姫鬼に人の食い初(ぞ)めをさせようと呼び出す。姫鬼は親鬼に促されて為朝に近寄るが、扇でたたかれて恐れをなす。為朝は、勝負をして負けたら食われてやろうといい、腕押しや臑(すね)押しをして、簡単に姫鬼を負かしてしまう。最後に、両者の首に綱をかけて引き合うが、これも姫鬼の形勢が不利なので、見かねた親鬼は一族郎党の鬼を呼び出して加勢させる。為朝はしばらく引き回したのち急に綱を外し、鬼たちを将棋倒しにして逃げ去る。怖い鬼が、父性愛を示したり、人間に負けたりするおかしさを描く。鬼たちは武悪(ぶあく)の面、姫鬼は乙(おと)の面を着ける。
[林 和利]
菊の節供,九月節供,重九 (ちょうく) ともいう。五節供の一つ。旧暦9月9日の節供で,奈良時代より,宮中では天皇が紫宸殿に出御し,群臣に宴を賜わり詩歌文章をつくらせる菊花の宴が行われ,年中行事となった...