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印南野 いなみの

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

印南野
いなみの

明美台地ともいう。兵庫県南部,明石川と加古川およびその支流美嚢 (みの) 川に囲まれた三角状の台地。雌岡 (めこ) 山 (249m) ,雄岡 (おっこ) 山 (241m) などの秩父古生層の小丘のある西方の高位段丘面と,播磨灘沿岸に分布する中位段丘面とに分れる。末端は明石原人やマンモス化石の発見で有名になった比高約 10mの明石累層の海食崖で,播磨灘にのぞむ。水不足で開発が遅れ,河川からの揚水が可能になった江戸時代に水田化された。日本最大の灌漑用ため池密集地域で,県下穀倉地帯の1つ。第2次世界大戦後は工業化が著しい。

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デジタル大辞泉の解説

いなみ‐の【印南野】

兵庫県南部の加古川・明石川二流域にまたがる溜め池が多いことで有名。[歌枕
「―は行き過ぎぬらし天伝ふ日笠の浦に波立てり見ゆ」〈・一一七八〉

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世界大百科事典 第2版の解説

いなみの【印南野】

兵庫県南部,明石川,加古川,美囊(みのう)川に囲まれた三角形状の台地で,東西約20km,南北約15kmにわたって広がっている。〈いんなみの〉とも呼び,かつては伊奈美野稲日野とも書いた。播磨町大中遺跡ほか弥生時代,古墳時代の遺跡が多い。地形的には海成段丘面で,低位の大久保台地と岩岡,母里,加古の高位台地に区分されるが,台地のまわりを流れる河川と急崖で隔てられているため水利が悪く,近世初期まで開発は行われなかった。

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大辞林 第三版の解説

いなみの【印南野】

兵庫県南部の台地。東西を明石川と加古川とに限られる。ため池密集地として有名。明美めいび台地。明石台地。稲日野。⦅歌枕⦆ 「 -の浅茅押し並べさ寝る夜の日長くしあれば家し偲しのはゆ/万葉集 940

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日本の地名がわかる事典の解説

〔兵庫県〕印南野(いなみの)


兵庫県南部、播磨(はりま)平野の南東部を占める台地。東は明石(あかし)川、西は加古(かこ)川、北は美嚢(みのう)川に囲まれ南に三角形に広がる。最高点は標高120m。東西約18km、南北約15km。明美(めいび)台地・印南台地とも。六甲(ろっこう)山地の地殻変動でできた海成段丘。水利条件が悪く、溜()め池密集地帯として知られる。大正期、山田(やまだ)川疏水(そすい)などが完成し、水田化が進展。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

印南野
いなみの

兵庫県中南部、旧加古郡一帯の台地。東は明石(あかし)川、西は加古川、北は美嚢(みの)川で境し、南は播磨灘(はりまなだ)を望む、東西20キロメートル、南北10キロメートルの地域である。畿内(きない)の西の玄関口であり、『播磨国風土記(ふどき)』には印南野、『万葉集』には印南野、稲見野、稲日野(いなびの)として詠まれている。平安時代には禁野(きんや)であった。水利条件が悪く、江戸時代はワタ作を主としたが、明治前期に衰退した。1915年(大正4)の淡河(おうご)川・山田川疎水(そすい)の完成で水田化が進展した。大小無数の溜池(ためいけ)景観はみごとである。[二木敏篤]

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世界大百科事典内の印南野の言及

【播磨国】より

…1647年(正保4)には国高は1570ヵ村54.2万石,新田高1.2万石となった。それが1702年(元禄15)には1800ヵ村56.8万石となるが,この正保~元禄の間の石高増加で注目される点として印南野(いなみの)の開発がある。明石・加古両郡にまたがる広大なこの台地は,近世初頭に村は一つもなかったが,正保以後新田開発が進み,その西につづく印南郡と合わせると,ここだけで7900余石の新田が成立しているのである。…

【播磨平野】より

…地形は東部と西部でかなり異なる。加古川から明石川に至る東播地方は,六甲山地の隆起の影響を受けた印南野(いんなみの∥いなみの),青野ヶ原をはじめとする段丘地形が分布している。最高位の段丘は標高100m内外で,地形,堆積物,土壌などを指標に4面の段丘が識別されている。…

【印南野】より

…最高時(1940年代)に溜池の数は大小合わせて130余といわれ,その面積は旧加古新村の例では耕地面積の25%以上を占めた。しかし最近は神戸の都市化の影響で工場や住宅団地の進出が多く,印南野に特徴的な溜池も姿を消しつつある。【小森 星児】。…

※「印南野」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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