香取神宮御田植祭(読み)かとりじんぐうおたうえさい

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「香取神宮御田植祭」の意味・わかりやすい解説

香取神宮御田植祭
かとりじんぐうおたうえさい

千葉県香取市香取神宮で,毎年 4月第1土曜日と日曜日に行なわれる御田植の祭り。通称「かとりまち」。明徳2(1391)年にはすでに行なわれていたといわれ,日取りは旧暦 4月5,6日だった。初日の耕田式と翌日の田植式の行事からなる。耕田式は,8本の大華傘が立てられた拝殿前庭で行なわれる。まず,ナソリ,オオベシミ,ウバと呼ばれる面を着けた祓い役が,頭に花飾りの宝冠を着けた 8人の稚児の周りを 3度回り,次いでを入れる所作ウシによる代掻,背に花笠を負った少女による田舞と続き,苗代主の合図で早乙女手代(さおとめてじろ)と呼ばれる女性による田植えの所作が行なわれる。翌日の田植式は,大華傘をさしかけられて肩車された稚児や祓い役など一同が神田に行列して向かい,田につくられた仮舞台での神事のあと,稚児から苗を受け取った早乙女手代が田唄に合わせて田植えをする。(→田植踊

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