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 くわ

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説


くわ

古くから使用されてきた農具の一つ。用途により,打ち鍬,引き鍬,打引き鍬に分れ,また構造上から風呂鍬,金鍬,特殊鍬に分類されるが,京鍬,河内鍬,備中鍬など,地方地方によってそれぞれの特色をもちながら発達してきたので,きわめて種類が多く,形態上も変化に富んでいる。

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デジタル大辞泉の解説

くわ〔くは〕【×鍬】

農具の一。刃のついた平たい鉄の板に柄をつけたもの。田畑を掘り起こしたり、ならしたりする。風呂鍬(ふろぐわ)と金鍬(かなぐわ)に大別される。

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百科事典マイペディアの解説

鍬【くわ】

農耕具の一種。耕作中心の日本では代表的農具で種類も多い。使用形態から3種に大別される。1.打鍬。耕起・開墾用。強く打ちおろし前進しつつ作業。刃床部と柄の角度60〜85°。

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大辞林 第三版の解説

くわ【鍬】

田畑を耕すのに使う農具。長い柄の先に土を掘り起こす歯の部分を取り付けたもの。歯の部分の構造によって、金鍬かなぐわや、板の先に金属の歯をつけた風呂鍬ふろぐわなどがある。
[句項目]

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説


くわ

田畑の耕うん、砕土均平、うね立て、中耕除草土寄せ、根切り、掘取り、溝さらいなどの農耕作業のほか、土工作業にも広く使用される農具である。種々の作業ならびに使用場所の土壌条件に適するよう、その形態は数多く分化発達し、形状は数百種にも及ぶ。[小林 正]

種類

分類は使用法により打ち鍬、引き鍬、打引き鍬の3種類に大別され、また刃床部の構造上から風呂(ふろ)鍬と金(かな)鍬に大別される。
 打ち鍬は、打ち込み動作により刃床部を土の中へ打ち込み耕うんする。打ち込み動作を容易にするため柄角(えかく)は60度から85度、柄長(えちょう)は短く1メートル内外である。刃床部は打ち込み作用に耐えられるように厚くできている。使用法は、立った姿勢で刃床部を高く持ち上げ振り下ろして土壌中に打ち込み、土を引き起こす前進耕法である。引き鍬は、引き込み動作により刃床部を土壌中に引き込み、耕うん、土寄せ、中耕除草、溝さらいなどの作業をする。別名作(さく)鍬ともいわれ、管理作業によく使用される。柄角は引き込み作用に適するように小さく35度から40度、柄長は立った姿勢で作業ができるように長く、刃床部は薄く軽量である。使用法は、立った姿勢で刃床部を引き込む後退耕法である。打引き鍬は、打ち込み作用と引き込み作用の両者を使い分けできるようにしたもので、柄角は50度内外、柄長は打ち鍬より長く引き鍬より短い中間的な長さである。使用法は、打ち込み動作と引き込み動作の二つがあるが、作業姿勢はいずれのときでも中腰であり、使いこなすには熟練を要する。耕法は後側退耕法である。
 風呂鍬は別名平(ひら)鍬、並鍬、台鍬ともいわれる。刃床部は木製の風呂または台と鉄製の鍬先とで構成され、風呂には柄を取り付ける柄壺(えつぼ)があいている。使用法としては、風呂鍬の多くは打引き鍬、引き鍬に属する。南部鍬、秋田鍬、相馬鍬、野州鍬、江戸鍬、京鍬、河内(かわち)鍬、肥後鍬などは地方的伝統のある風呂鍬であった。金鍬は風呂無(ふろなし)鍬、板鍬などともいわれる。刃床部は風呂がなく一体の練鉄でできており、柄壺は外部に突出している。刃床部の形状、大きさなどが自由に工作できるため金鍬の種類は数多く、板鍬から分岐していろいろな形態へと変化している。砂礫(されき)土質用の鋸(のこ)金鍬、股(また)金鍬、砂質土用の鏡先備中(かがみさきびっちゅう)鍬、葦株(あしかぶ)切り用の坊主鍬、尖(とがり)金鍬、開墾用の島田鍬、湿田用の田鍬、四本備中鍬ばち付きなどは特殊な作業にのみ使用される鍬である。[小林 正]

歴史

農耕、土工などに使用する鍬は、すでに大蔵永常(おおくらながつね)の『農具便利論』(1822)が「鍬は国々にて三里を隔(へだて)ずして違ふものなり」と教えているように、その土地土地の耕地条件や使用目的などによってさまざまな形状のものがある。とくに畑作を中心とする地方では鍬の分化が進んでおり、1軒の農家が10種類くらいの鍬をもつ場合もみられる。
 このように多様な形状をもつ鍬は、農具のなかではもっとも重要なものの一つで、日本では、すでに弥生(やよい)時代前期には使われていた。弥生時代の鍬には平鍬(後の風呂(ふろ)鍬に類するもの)と股(また)鍬(備中(びっちゅう)鍬に類するもの)があり、平鍬は刃、柄(え)とも木製のもので、柄をつける柄壺(えつぼ)の部分に肉厚の隆起がついている。股鍬も刃、柄とも木製で、刃は二股(ふたまた)、三股あるいは五股、六股に分かれたものが出土している。鍬に鉄の刃先を使うようになったことには、いくつかの問題があるが、弥生時代後期には長方形の鉄板の両端を折り返し、そこに木の鍬をはめ込んだものがあり、これが初めの形とされている。現在みられるような鉄製のU字形の鍬先を着装した風呂鍬に近い鍬が出現するのは、古墳時代になってからで、5世紀以降にはこの型の鍬が広く使われるようになった。また、現在の備中鍬に近い刃先が三股または四股の鉄の鍬は、4世紀後半以後に使われるようになった。文献上に鉄の鍬が現れるのはさらに後の8、9世紀からで、『播磨国風土記(はりまのくにふどき)』(715年以前撰(せん))、『皇太神宮儀式帳』(804)にみられる。しかし、この時代には「鍬」が「くわ」とも「すき」とも読まれ、その表記に混乱もあった。
 鍬は江戸時代になると、各種資料から前記のような分化がかなり進んだことがわかるが、さまざまな板鍬が現れ始めたのは江戸時代後期からである。現在では風呂鍬の使用は少なくなり、板鍬が一般的になっている。なお、鍬の入手については、個人購入のほか、たとえば新潟県では鍛冶(かじ)屋が農家に鍬を貸す貸鍬慣行が最近まであり、神奈川県では春秋の地神(じじん)講を鍬講ともいい、講で鍬を買って分けることも行われていた。[小川直之]
『鋳方貞亮著『農具の歴史』(1965・至文堂) ▽大日本農会編『日本の鎌・鍬・犂』(1979・農政調査委員会)』

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