日本大百科全書(ニッポニカ) 「香港国際空港」の意味・わかりやすい解説
香港国際空港
ほんこんこくさいくうこう
Hong Kong International Airport
中国の特別行政区香港(ホンコン)の国際空港。九竜(きゅうりゅう/チウロン)地区の西方約34キロメートルに位置する。香港島西方のランタオ(大嶼山)島北岸に隣接していたチェク・ラップ・コック島の丘陵を削り、周辺海域を埋め立てて建設された。旧香港国際空港(カイタク空港)の面積が狭くて拡張の余地がなく、航空需要の増加に対処できなくなったため計画された新空港で、イギリス直轄領時代の1989年10月に建設が決定され、1992年12月に着工された。当初は1997年7月の、香港中国返還前の開港を目標としたが、工程の遅れと大幅な工費増加のため、返還1年後の1998年7月開港した。空港敷地面積1255ヘクタール。長さ3800メートルの滑走路2本で運営されている。2005年の年間発着回数は27万3400回、利用客数は4027万人。空港アクセスのために九竜地区より高速鉄道と高速道路がつくられ、本土に隣接するチンイー(青衣)島とランタオ島との間は、鉄道・道路併設の吊(つり)橋、チェンマ(青馬)橋(長さ約2.2キロメートル)で結ばれる。香港島中環(セントラル地区)―空港間の所要時間は鉄道(空港連絡特急)で23分、道路(車)で約30分である。新空港の開港に伴って、カイタク空港は廃止された。
[青木栄一・青木 亮]