馬天港(読み)ばていんこう

日本歴史地名大系 「馬天港」の解説

馬天港
ばていんこう

[現在地名]佐敷町津波古つはこ

中城なかぐすく湾内の南部に位置し、東側に知念ちねん半島がある。北に開口する湾入部の西岸にあたる。方音ではバティン。一帯の浜地を馬天浜と称した。「おもろさうし」巻一の二九に「一 よなははま きこゑ大きみ(与那覇浜 聞得大君)/やちよ かけて とよまさに(八千代 かけて 鳴響まそう)/又 あきりくち とよむ大きみ(あきり口 鳴響む大君)/やちよ(八千代)/又 はてんはま きこゑてるきみ(馬天浜 聞こえる照る君〔神女〕)/やちよ(八千代)/又 あからかさ ももとふみかり(赤い冷傘〔りゃんさん〕をかざした百年踏み揚がり〔神女〕)/やちよ(八千代)」とみえる。聞得大君の新任儀礼御新下り(オアラオリ)のようすを謡ったオモロで、巻二二「みおやだいりおもろ御さうし」の二四のオモロにもあり、行幸のときに与那原ゆなばる(現与那原町)稲福親雲上宿を出発するときに歌う。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の馬天港の言及

【佐敷[町]】より

…沖縄島(本島)南部の知念半島の北側,中城(なかぐすく)湾に面する。馬天(ばてん)港を囲むように肥沃な泥灰岩土壌の低地が広がり,その背後は石灰岩で覆われた台地である。佐敷からでた尚巴志(しようはし)(1372‐1439)は馬天港に拠って中国や日本本土と貿易して力をたくわえ,1429年三山(琉球)を統一した。…

※「馬天港」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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