骨盤計測(読み)こつばんけいそく(英語表記)pelvimetry

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

骨盤計測
こつばんけいそく
pelvimetry

産道の大きさや形状を測ること。産道のうち伸展性のない骨産道の各部の径線を測定し、分娩(ぶんべん)時に胎児がその骨産道を通過できるかどうかを予測する目的で行われる。計測法には次の3種類がある。[新井正夫]

骨盤外計測

骨盤計測計により体表面から測る方法。分娩時に実際に胎児が通過する骨産道内腔(ないくう)の径線は測定していないが、外計測値はある程度、骨産道内腔径線と並行しており、簡単にできるので最初の選別法として用いられる。[新井正夫]

骨盤内計測

主として内診指によって仙骨前上縁の岬角(こうかく)と恥骨結合下縁との距離である対角結合線を測る方法。この対角結合線は、岬角と恥骨結合中央内面との最短距離である産科的結合線より1.5~2.0センチメートル長いことから、骨盤入口部の前後径を推測するのに用いられる。[新井正夫]

X線骨盤計測

X線撮影によって骨盤各部の前後径(縦径)と横径を計測する方法で、もっとも正確な計測値が得られる。骨盤の側面から撮影して骨盤各部の前後径を測り、骨盤の上方から撮影して横径を測定する。骨盤各部の横径が短いときには前後径も短いことが多いので、X線被曝(ひばく)量を少なくするために側面撮影だけで測定されることもある。骨盤各部の径線は通常、入口部前後径11センチメートル以上、最大横径12センチメートル以上、闊部(かつぶ)前後径12センチメートル以上、峡部前後径11.5センチメートル以上、坐骨棘間径(ざこつきょくかんけい)10センチメートル以上、出口部前後径11.5センチメートル以上、坐骨結節間径10.5センチメートル以上が普通とされる。
 骨盤腔の大きさは体重よりも身長と並行するので、140センチメートル以下の女性ではX線骨盤計測を行うことが多い。児頭の下降が悪い場合も、妊娠末期あるいは分娩中にX線撮影を行うことがある。X線骨盤計測の対象となるのは、ほとんど初産婦であり、経産婦では、前回出産児より非常に大きい胎児であることが予想される場合か、前回難産であった場合などに限られる。もっとも正確なX線骨盤計測でも、骨組織間の径線だけを測っているので、生体内での結合組織や脂肪組織の付着を考えると、児頭との間に1~2センチメートルの余裕は必要である。
 なお、骨盤入口部の形や骨盤腔の深さなどによって女性型、類人猿型、扁平(へんぺい)型、男性型の4型に分類される。女性型がもっとも好ましく、男性型がもっとも難産をきたしやすい。類人猿型や扁平型の骨盤では、分娩時の胎児の回旋異常をきたしやすい。[新井正夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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