高分子半導体(読み)コウブンシハンドウタイ

デジタル大辞泉 「高分子半導体」の意味・読み・例文・類語

こうぶんし‐はんどうたい〔カウブンシハンダウタイ〕【高分子半導体】

半導体に似た電気的特性を示す高分子化合物有機半導体一種ポリアセチレンなどの導電性高分子多くが含まれる。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

化学辞典 第2版 「高分子半導体」の解説

高分子半導体
コウブンシハンドウタイ
semiconductive polymer

金属(10-4~10-6 Ω cm)のようには電流が流れず,絶縁体(1014 Ω cm 以上)ほどに電気抵抗が大きくない中間的な電気伝導性をもつ物質を,一般に半導体とよび,そのような性質を高分子が有する場合,高分子半導体という.有機化合物においては,炭素-炭素二重結合が長く共役するほど,それらπ電子の電子状態を示す帯構造のエネルギーは減少し,電子が流れやすくなる.高分子半導体は,高分子の特質である配向性を利用して,電気伝導性に異方性を任意に,かつ容易に付与できるという利点をもつ.高分子半導体としてもっとも古くから知られている例は,多環芳香族化合物であるが,最近では,ポリ-p-フェニレンポリ(ベンゾイミダゾール)ポリアクリロニトリルポリアセチレンポリフェニルアセチレンなど,種々の高分子半導体が合成されている.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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