高橋 玉淵(読み)タカハシ ギョクエン

20世紀日本人名事典 「高橋 玉淵」の解説

高橋 玉淵
タカハシ ギョクエン

明治期の日本画家 川端画学校教授



生年
安政5年8月15日(1858年)

没年
昭和13(1938)年

出生地
江戸

本名
高橋 柳三郎

主な受賞名〔年〕
内国絵画共進会褒状(第2回)〔明治17年〕「人物」「花鳥」,内国勧業博覧会褒状(第3回)〔明治23年〕「秋草鶉図」,日本青年絵画協会展銅賞(第2回)「月下孤雁」,パリ万国博覧会銅賞〔明治33年〕「雨中山水」,内国勧業博覧会褒状(第5回)「月下春水図」,セントルイス万国博覧会銅賞〔明治37年〕

経歴
はじめ兄で柴田是真門下の日本画家・高橋応真に絵の手ほどきを受け、のち川端玉章の門下に移って円山派を学んだ。明治17年内国絵画共進会に「人物」「花鳥」を出して褒状を獲得したほか、内国勧業博覧会や日本青年絵画協会展などに出品して入賞を重ねる。また、33年のパリ万国博覧会では「雨中山水」で銅賞を受賞するなど、その作品は海外でも高く評価された。この間、日本画会や美術同志会の役員を歴任し、34年日本美術協会第一部委員。40年には正派同志会の結成に参画し、その幹事となった。41年第2回文展に「秋光」を出展し、入選後進指導にも熱心で、明治31年から共立美術学館で教授を務め、42年には川端画学校の創立に伴い、教授に就任。晩年は川合玉堂が主宰する長流画会に属した。円山派の画風を受け継ぎ、山水・花鳥画に優れた作品が多い。作品はほかに「秋草鶉図」「月下孤雁」などがある。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

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