高橋一智(読み)タカハシ カズトモ

20世紀日本人名事典 「高橋一智」の解説

高橋 一智
タカハシ カズトモ

昭和期の陶芸



生年
明治37(1904)年5月4日

没年
昭和58(1983)年4月8日

出生地
青森県弘前市

学歴〔年〕
京都市商工専修学校窯業部卒

主な受賞名〔年〕
東奥賞〔昭和33年〕,青森県褒賞〔昭和36年〕,青森県文化賞〔昭和40年〕

経歴
弘前中学校在学中より絵画彫刻に取り組むが、民芸運動やイギリス人陶芸家バーナード・リーチの影響を受けて陶芸を志す。昭和3年青森県中郡千年村に窯を開くが、意に添った作品が出来ず、5年京都に赴いて陶芸家河井寛次郎に入門。8年に北海道工業試験場副手として陶磁器制作を指導したのち帰郷し、財団法人木村産業研究所研究生となって窯業部を担当、以後津軽の土を使った陶磁器の制作に専念した。21年弘前市桔梗野に自身の窯を開いて独立、寡作であったが郷土の素材を用いた陶磁器制作が高く評価され、33年東奥賞、36年青森県褒賞、40年青森県文化賞を受賞。その間、38年に昭和天皇が植樹祭のために青森県を訪れた際、彼の焼いた茶道具6点が献上品に選ばれている。46年以降は陶磁器作りに適した素材や釉薬を求めて県内各地を探訪。また、こぎん刺しの研究家としても知られる。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「高橋一智」の解説

高橋一智 たかはし-かずとも

1904-1983 昭和時代の陶芸家。
明治37年5月4日生まれ。河井寛次郎の内弟子となる。昭和22年郷里の青森県弘前(ひろさき)に窯をひらき,津軽の陶土をつかった作品をやく。日本民芸協会同人。こぎん刺しの研究家でもある。昭和58年4月8日死去。78歳。京都市商工専修校卒。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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