津軽(読み)ツガル

デジタル大辞泉 「津軽」の意味・読み・例文・類語

つがる【津軽】

青森県西半部地域の称。
太宰治の紀行文的小説。昭和19年(1944)、小山書店「新風土記叢書」の第7巻として刊行

つがる

青森県西部にある市。津軽半島西岸の七里長浜に沿う穀倉地帯。平成17年(2005)2月木造きづくり町、森田村柏村稲垣村車力しゃりき村が合併して成立。人口3.7万(2010)。

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精選版 日本国語大辞典 「津軽」の意味・読み・例文・類語

つがる【津軽】

  1. [ 一 ] 青森県西半部の地域をいう。
    1. [初出の実例]「小乙上を以て、渟代・津軽、二郡の郡領に定む」(出典:日本書紀(720)斉明四年四月)
  2. [ 二 ] 青森県の西半部に置かれていた郡。明治一三年(一八八〇)東津軽・西津軽・南津軽・北津軽・中津軽の五郡に分割された。現在の青森・弘前黒石五所川原・つがるの各市も、もとはこの郡に含まれていた。
  3. [ 三 ] ( つがる ) 青森県西部、津軽半島西岸の地名。JR五能線が通じる。遮光器土偶を出した亀ケ岡遺跡がある。平成一七年(二〇〇五)市制。

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改訂新版 世界大百科事典 「津軽」の意味・わかりやすい解説

津軽 (つがる)

青森県西半部の地域総称名。津刈,都加利,都加留,津加呂,東日流,東鍛流,東海路とも書く。呼称が先行し漢字をあてたとみられ,《日本書紀》斉明1年(655)7月11日条記事を初見として,正史その他に頻出する。阿倍比羅夫の北征時に津軽郡領を任命したとするが,古代国家では郡を制度化せず,11世紀末まで蝦夷地として扱い,出羽秋田城管轄下においた。この間に水田耕作も不十分ながら展開した。12世紀初期,鎮守府平泉の管轄の下で,津軽四郡および西浜,中浜外浜,湊などの中世的領域を形成。鎌倉幕府は蝦夷支配上から特別の配慮を示し,北条氏を津軽全域の地頭に任命した。幕府滅亡後もこの政治的位置は変わらず,説話などにも特別に記載。十三湊日之本(ひのもと)将軍安東氏は代表的人物である。室町後期の南部氏支配を経て,戦国末期に津軽を統一した津軽為信が津軽藩祖となり,津軽も近世的秩序に組み替えられた。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「津軽」の意味・わかりやすい解説

津軽
つがる

青森県西半部の地域の古くからの呼称で、東半部の「南部」と対する。行政的には青森、弘前(ひろさき)、黒石、五所川原(ごしょがわら)、つがる、平川の6市と、東、西、南、北、中津軽郡の5郡の範囲である。津軽の名は『日本書紀』の655年(斉明天皇1)の条に津刈の蝦夷(えみし)に冠二階を授けたという記述が初めである。15~16世紀には南部氏が現在の青森県の全域を制したが、16世紀末に大浦為信(おおうらためのぶ)(津軽為信(つがるためのぶ))が南部氏を駆逐して津軽を統一した。以後、津軽氏弘前藩領として明治維新まで続いた。

 自然条件や産業文化などに南部とは異なった性格を示し、二つの地域には対立的な様相がみられる。それが生活面にも現れ、祭礼や方言の違いを示す。

[横山 弘]

『森山泰太郎著『津軽の民俗』(1965・陸奥新報社)』『和歌森太郎著『津軽の民俗』(1970・吉川弘文館)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「津軽」の意味・わかりやすい解説

津軽
つがる

青森県の西半分にあたる地方の俗称。古くは津借と書き,蝦夷が松前から渡って津を借りて住んだとの説がある。 15~16世紀に南部氏が青森県全域を支配したが,16世紀末に大浦為信が津軽地方を統一し,津軽氏を名のって弘前藩をおいた。第2代藩主信枚 (のぶひら) が弘前城を築き江戸時代末期まで支配。明治4 (1871) 年廃藩置県により,東の南部領と合体して弘前県が成立。同年県庁を青森に移して青森県と改称。現在も東の南部地方とは異なった言語 (津軽弁) や風俗習慣などがある。

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百科事典マイペディア 「津軽」の意味・わかりやすい解説

津軽【つがる】

青森県西半部の呼称。かつての陸奥(むつ)国の一部で,戦国時代以後津軽氏が領有。江戸時代には弘前,黒石の2藩に分かれた。
→関連項目津軽塗

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動植物名よみかた辞典 普及版 「津軽」の解説

津軽 (ツガル)

植物。ケシ科の越年草,園芸植物,薬用植物。ケシの別称

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世界大百科事典(旧版)内の津軽の言及

【境】より

…(1)海中の島や岩などの目標物を境として漁場の範囲を示す場合,(2)水面の面積や陸からの距離の計測による場合,(3)いわゆる〈山アテ〉や〈見通し〉のように陸上の目標物によって境界線を定める場合,(4)海路(うなじ)(沖合を通る航路)を境界線とする場合,(5)湖とか湾の真ん中を境とする場合,の五つの基本的な方法によって漁場の境が決められたようである。 以上のようなさまざまな境に対して,日本の国土・領域の境界はどのように意識されていたのかといえば,《妙本寺本曾我物語》などにみられるように,日本国の〈四至〉は,南限は熊野,北限は佐渡嶋,東限はアクル・津軽・蛮(へそ)嶋(夷島(えぞがしま)=北海道),西限は鬼界・高麗・硫黄嶋であると観念されていた。これはもちろん観念上のことであり,鎌倉幕府の軍事・警察権が高麗(朝鮮)にまで及んでいたわけではけっしてない。…

※「津軽」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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