最新 地学事典 「高次表面波」の解説
こうじひょうめんは
高次表面波
higher mode surface wave
弾性体の運動方程式をとり,表面に沿って伝わる波を表す解を採用すると,表面と垂直な方向には,この波の振幅の分布を表す微分方程式が得られる。境界条件をすべて満たすこの方程式の解があるとき,これは固有関数であり,速度または波長等のパラメーターが固定されれば,これに対応して振動数(固有値)が定まる。その値は一般に一つではなく,最小値に対応するものが基本波,その他が高次表面波となる。これには振幅の分布に節があり,次数が高くなるほど,節の数も増える。弾性板を伝わる波のように,振幅分布が対称と非対称のもので,特性方程式が完全に分離するときには,それぞれに基本波と高次の波を認めるべきであろう。弾性球の振動では,高次表面波が集まって実体波を形成する。一般に高次表面波を確認することはかなり困難であるが,M2波(妹沢波)は理論・観測ともにその発見が日本でなされた点で著しい業績といえよう。
執筆者:佐藤 泰夫
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

