高等教育における学習成果調査(読み)こうとうきょういくにおけるがくしゅうせいかちょうさ

大学事典 の解説

高等教育における学習成果調査
こうとうきょういくにおけるがくしゅうせいかちょうさ

学生が大学教育を通して習得した知識・能力を世界共通のテストで測定することを目指す経済協力開発機構(OECD)による国際学習成果調査。2009年から2012年にかけて実施されたのは,そうした取組みが可能かどうかを検証するためのフィージビリティ・スタディである。17ヵ国248大学の学生2万2977人の参加のもとに「一般的技能」「経済学」「工学(土木)」の3分野で実施された。日本は12大学の学生504人の協力を得て工学分野の取組みに参加した。実施にあたっては,国立教育政策研究所が国際コンソーシアムのメンバーとしてテスト問題開発に関わるとともに,ナショナル・センターとしてテスト問題の翻訳,国内実施,報告を担当した。本調査の結果,国際的に合意された能力枠組みに基づいて妥当性と信頼性のあるテスト問題を開発し,大学と学生の協力を得て実施することは技術的に可能であることが確認された。その一方,どのような目的でテストを実施し,誰に対してどのようなフィードバックを行うかについて国際的合意を形成することの難しさが浮彫りとなった。
著者: 深堀聰子

出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報

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