経済協力開発機構(読み)けいざいきょうりょくかいはつきこう(英語表記)Organization for Economic Co-operation and Development

精選版 日本国語大辞典 「経済協力開発機構」の意味・読み・例文・類語

けいざいきょうりょくかいはつ‐きこう ‥ケフリョクカイハツ‥【経済協力開発機構】

(Organization for Economic Cooperation and Development の訳語) 資本主義圏の経済協力機構世界経済の成長・安定と貿易拡大、発展途上国援助を目的に一九六一年発足。日本は六四年(昭和三九年)加入。本部パリ。略称OECD。

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デジタル大辞泉 「経済協力開発機構」の意味・読み・例文・類語

けいざいきょうりょくかいはつ‐きこう〔ケイザイケフリヨクカイハツ‐〕【経済協力開発機構】

オー‐イー‐シー‐ディー(OECD)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「経済協力開発機構」の意味・わかりやすい解説

経済協力開発機構
けいざいきょうりょくかいはつきこう
Organization for Economic Co-operation and Development

経済に関する先進自由主義諸国間の国際協力機関。略称OECD。1948年、第二次世界大戦によって破壊されたヨーロッパ経済の復興の促進とマーシャル・プランの受け入れを目的としてヨーロッパ経済協力機構Organization for European Economic Co-operation(OEEC)が設立された。その後ヨーロッパ経済の回復とともに、当初は西ヨーロッパ諸国に対する援助供与国であったアメリカが、これらの国々と経済政策の調整を行う必要が生まれ、同時に先進諸国においては、当時増大しつつあった開発途上国援助の負担を分担することが要請された。こうして国際社会の発展および構造変化に対応するための先進国間の新しい協調体制の確立を目ざして、OEECを発展的に解消させ設立されたのがOECDである。OECD条約は1960年12月14日に署名され、翌1961年9月30日に発効した。

 OECDの目的は、(1)加盟国の経済成長、雇用増大および生活水準の向上、(2)開発途上国援助、(3)多角的な自由貿易の拡大、の3点を基本としているが、国際社会の多様化に対応して、資源エネルギー、一次産品、環境保護、国際投資および多国籍企業、教育、消費者保護等の諸問題についても積極的に取り組んできた。

 OECDの発足時の加盟国(1961年設立時の原加盟国)は、OEECに加盟していた18か国(アイスランドアイルランド、イギリス、イタリア、オーストリア、オランダ、ギリシア、スイス、スウェーデン、スペイン、デンマーク、ドイツ、トルコ、ノルウェー、フランス、ベルギーポルトガルルクセンブルク)と、アメリカおよびカナダの計20か国であった。その後1964年(昭和39)に日本、1969年にフィンランド、1971年にオーストラリア、1973年にニュージーランドが加盟した。さらに1990年代に入ると、1994年にメキシコ、1995年にチェコ、1996年にハンガリーポーランドおよび韓国が、2000年にはスロバキアも加盟し、メンバーの多様化傾向がみられるようになった。その後、2010年にはチリ、スロベニアイスラエルおよびエストニアが、2016年にはラトビアが、2018年にはリトアニアが、2020年にはコロンビアが、そして2021年にはコスタリカが加盟した。2023年7月末の時点で加盟国は38か国である。

 OECDの最高の意思決定機関は、全加盟国によって構成される理事会である。理事会は、年一回開催される閣僚級レベルの閣僚理事会と常駐代表会議の二つに分かれ、下部機関の設置、各種の政策決定、事務総長の任命などの権限を有し、決定は全会一致を原則としている。理事会には、理事会を支える常設の補助機関として、執行委員会、予算委員会、対外関係委員会がある。事務総長は理事会によって任命され、常駐代表会議の議長をも務め、任期は5年である。事務局はパリ。OECDの活動は、数多くの分野別に設けられた委員会等によって実施されている。たとえば、経済政策委員会(EPC)、貿易委員会(TC)、投資委員会(CI)、雇用・労働・社会問題委員会(ELSAC)、科学技術政策委員会(CSTP)、産業・イノベーション・起業委員会(CIIE)、教育政策委員会(EDPC)、農業委員会(COAG)、開発援助委員会(DAC)、公共ガバナンス委員会(PGC)、地域雇用経済開発プログラム運営委員会 (LEED)等が挙げられる。さらに原子力機関(NEA)、国際エネルギー機関(IEA)等の特別機関も存在している。

 国際機構としてのOECDの特徴は、市場経済を原則とする先進国を主たる加盟国としているため、メンバー間に同質的性格およびクラブ的性格を有していることである。その結果、各加盟国の政策調整は、関係国代表が直接協議する、いわゆるコンフロンテーション方式がとられている。さらにOECDにおいては意見および情報の交換が中心で、結論を得るよりも、各国代表による討論を通じて共通の理解が形成されることに重点が置かれている。したがって、OECDとしての政策決定を行う場合には、多数決ではなく全会一致方式がとられる。

[黒神直純 2023年10月18日]

『村田良平著『OECD(経済協力開発機構)――世界最大のシンクタンク』(中公新書)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「経済協力開発機構」の意味・わかりやすい解説

経済協力開発機構
けいざいきょうりょくかいはつきこう
Organization for Economic Co-operation and Development; OECD

西側先進諸国を中心とした経済に関する国際機構。1959年12月のアメリカ合衆国,イギリス,フランス,ドイツ連邦共和国(西ドイツ)4ヵ国首脳会議の共同声明をうけて,ヨーロッパ経済協力機構 OEECを改組し,1960年12月 OECD条約調印,1961年9月に発足した。本部はフランスのパリ。(1) 経済成長,(2) 開発途上国援助,(3) 貿易自由化を三大目的とする。最高機関は全加盟国で構成される OECD閣僚理事会。ほか閣僚理事会の補佐的機関である執行委員会や,経済政策委員会貿易委員会開発援助委員会 DACの三大委員会,労働組合諮問委員会や経済産業諮問委員会など約 250の委員会や作業部会があり,関連機関として国際エネルギー機関経済協力開発機構・原子力機関などが置かれている。主要な活動に,各国の経済政策の検討,政府開発援助 ODAの実績の審査,資本移動やサービス貿易の自由化などがあり,半年に一度経済見通し(エコノミック・アウトルック)を発表する。1990年にはソビエト連邦と東ヨーロッパ諸国の市場経済への移行を支援するセンターも設立された。原加盟国は 20ヵ国(アメリカ,カナダ,ドイツ,フランス,イタリア,ベルギー,ルクセンブルク,オランダ,イギリス,デンマーク,スウェーデン,スイス,ノルウェー,ポルトガル,オーストリア,アイスランド,スペイン,アイルランド,トルコ,ギリシア)。日本は OECD発足当時から DACに参加,1964年4月に正式加盟国となった。その後,フィンランド,オーストラリア,ニュージーランド,メキシコ,チェコ,ポーランド,大韓民国(韓国),スロバキア,チリ,スロベニア,イスラエル,エストニア,ラトビア,リトアニアが加わり,2020年2月現在の加盟国は 36ヵ国。

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知恵蔵 「経済協力開発機構」の解説

経済協力開発機構

先進工業諸国の国内的・対外的な経済政策を調整するための国際機関。ヨーロッパ復興計画(マーシャル・プラン)の受入機関として1948年4月に成立した欧州経済協力機構(OEEC : Organization for European Economic Cooperation)が改組されて、61年9月に発足。最高意思決定機関は年に1回開催される閣僚理事会で、加盟各国の外相や蔵相などが出席する。下部組織として、経済政策・貿易・金融・開発・環境・科学技術・教育・原子力・食糧などの12分野に合計35の委員会がある。本部はパリに設置され、予算は加盟各国の拠出金で賄われる。発足当時の原加盟国は欧米の主要20カ国で(日本は64年に加盟)、かつては「西側諸国の金持ちクラブ」などと呼ばれていたが、90年代にチェコ、ポーランド、ハンガリーの東欧諸国と、発展途上国に位置付けられてきたメキシコと韓国の加盟を認めて政策協調の場を広げるなど、その性格を変えつつある。現在の加盟国数は30カ国(2007年8月末現在)。

(室井義雄 専修大学教授 / 2008年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

旺文社世界史事典 三訂版 「経済協力開発機構」の解説

経済協力開発機構
けいざいきょうりょくかいはつきこう
Organization for Economic Cooperation and Development

ヨーロッパ経済協力機構(OEEC)を改組し,1961年に発足した国際機関。略称OECD
経済の安定・成長と,発展途上国への援助,自由貿易の拡大を目的とし,OEEC加盟18か国にアメリカ・カナダが加わって創設。加盟国の教育計画についても,教育投資論の立場から調査を行う。1999年7月現在,加盟国は29か国(日本は1964年加盟)。本部はパリ。

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改訂新版 世界大百科事典 「経済協力開発機構」の意味・わかりやすい解説

経済協力開発機構 (けいざいきょうりょくかいはつきこう)

OECD

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百科事典マイペディア 「経済協力開発機構」の意味・わかりやすい解説

経済協力開発機構【けいざいきょうりょくかいはつきこう】

OECD

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「経済協力開発機構」の解説

経済協力開発機構
けいざいきょうりょくかいはつきこう

OECD(オーイーシーディー)

出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報

旺文社日本史事典 三訂版 「経済協力開発機構」の解説

経済協力開発機構
けいざいきょうりょくかいはつきこう

オーイーシーディー(OECD)

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世界大百科事典(旧版)内の経済協力開発機構の言及

【OECD】より

…経済協力開発機構Organization for Economic Co‐operation and Developmentの略称。1961年9月30日発効のOECD条約にもとづき発足した国際機構であるが,前身のヨーロッパ経済協力機構Organization for European Economic Co‐operation(略称OEEC)を改組・発展させたもの。…

【科学技術政策】より

…また発展途上国に対しては,みずから発展する素地を培養するための協力・援助の必要性が増加し,途上国の問題解決のための問題についての共同研究や協力・援助が増大しつつある。また国連関係の機関,OECD(経済協力開発機構)等を通ずる多国間,あるいは日米,日英等の2国間の国際協力が,原子力,宇宙利用,科学技術者の交流,情報交換その他の分野で行われている。とくに世界経済活性化の鍵として先進国首脳会議において科学技術協力が強調され,また東南アジア諸国連合(ASEAN)との首脳会談でも科学技術協力がとりあげられるなど,科学技術が国際政治において大きな問題となる趨勢(すうせい)にある。…

※「経済協力開発機構」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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