鬼能(読み)おにのう

精選版 日本国語大辞典 「鬼能」の意味・読み・例文・類語

おに‐のう【鬼能】

  1. 〘 名詞 〙 能楽で、鬼、鬼神などをシテとしたもの。「大江山」「土蜘蛛(つちぐも)」「黒塚」「鵜飼」など演能最後に行なう切能(きりのう)に属する。鬼事。鬼物鬼畜物鬼神物
    1. [初出の実例]「鬼能は、達者までにて、飛めぐり、はねかへり、身をかろく足拍子おほくふめば」(出典:舞正語磨(1658)下)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の鬼能の言及

【鬼】より

…1349年(正平4∥貞和5),四条河原で行われた有名な桟敷崩れの田楽に,鬼の仮面を付けた者が登場していたことが《太平記》に,また《落書露顕》には,4匹の鬼が出る田楽能が行われたことが記されている。しかし,この鬼能がどのようなものであったかは明らかでない。能や狂言には,鬼物という分類項目があるほど鬼がシテを演じる演目が多い。…

※「鬼能」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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