鮎川郷(読み)あゆかわごう

日本歴史地名大系 「鮎川郷」の解説

鮎川郷
あゆかわごう

子吉こよし川の支流鮎川の沿岸一帯で、由利原ゆりはらとよばれる高原と、鮎川両岸の狭小な平地とからなる。

近世本荘藩の郷名であるが、慶長一七年(一六一二)の由利郡中慶長年中比見出検地帳(由利郡中世史考)に「鮎川郷」とあり、次のように記される。

<資料は省略されています>

本荘藩成立後も、鮎川郷の名は残り、屋敷やしき村・田代たしろ村・二タ子ふたご村・平石ひらいし村・堰口せきぐち村・中畑なかはた村・蒲田かまた村・まち村・山崎やまざき村・沢口さわぐち村・黒沢くろさわ村・立井地たていち村・福田ふくだ村の一三ヵ村がこれに属していた(「御裁許絵図裏書」由利町史)


鮎川郷
あいかわごう

建武元年(一三三四)七月一二日の後醍醐天皇綸旨案(南禅寺文書、以下とくに断らない限り同文書)に鮎河郷とみえる(→江富郷。観応三年(一三五二)九月二一日には足利義詮が遠江守護今川範国に対して当郷など同国内における軍勢濫妨狼藉を停止させている(足利義詮御教書)。貞治三年(一三六四)一二月二六日、建武二年の太政官符を踏まえて再度官使・守護使の入部停止、国役等の免許を受け(足利義詮御判御教書案)、さらに貞治六年一〇月二日伊勢神宮の役夫工米や国中の段米・棟別、恒例臨時の公役等が免除されている(官宣旨案)。これを受け幕府も役夫工米の免除を承認し、今川範国の催促停止を命じている(康暦二年六月一一日斯波義将奉書)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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