出典 旺文社世界史事典 三訂版旺文社世界史事典 三訂版について 情報
…それとともに作物のわら・殻や生活のあらゆる残滓が肥料として用いられる。入会地はこのほか,治水・灌漑工事用の木材やつる類,屋根萱(かや),年中の燃料,さらにキノコその他の副産物の供給地として,農民にとって不可欠な土地となっている。この入会地は特定の村では数村共同の排他的な利用地である。…
…日本の近世期における農用林野利用の一形態。小農が自立して本百姓となり,本百姓(高持百姓)を村落構成員とする近世村落(小農村落)が成立すると,自立した本百姓の生産・生活を維持・補強するために,村落構成員(本百姓)のすべてが村落規制のもとにある入会地(刈敷山(かりしきやま),柴山,秣場(まぐさば),萱場(かやば)など)に対して共同の利用権を持つ。このような農用林野の利用形態が村中入会で,林野に対する近世領主権の支配の確立と,そのもとにおける小農の本百姓への自立とをまって,はじめて成立する。…
※「入会地」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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